見出し画像

微温湯


いつもそう


己を慰める行為に
溺れてゆき

微温湯の心地良さに
腑抜けになってしまう

気付けば
冷めきった水に
体温まで奪われてしまうのに


あのことばこそが

チョコレイト・リリィ

だったと

今更気付く


そんなこともわからぬ程に
我は溺れていたのかと
自嘲するのみ


しかし
それも良いではないか

所詮

己の手しか使えぬ

そんな自慰行為の繰り返し


後に

心が凍えようとも

ひとときの温もりを欲するも

道理
故に


フリージアは花ではなく
チョコレイト・リリィは刻なのだ

知ってたこと

わかってたこと

さみしいこと


黒い花を棄て
吾は凍えることとしよう




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?