アランレモン

読書の記録。特に印象に残った作家や作品について考えたことを書いていきます。 その他日々…

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読書の記録。特に印象に残った作家や作品について考えたことを書いていきます。 その他日々の雑感なども。

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  • 今更、大江健三郎

    大江健三郎作品についての感想を載せています。

  • エッセイ

    日々の雑感など、思ったことを綴っています。

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    お薦め本の紹介など

最近の記事

夜のおまけ

夜、眠る前のちょっとした時間。 一日のやることが大体終わって、家族はそれぞれ思い思いに過ごしている。ほんの少しだけの隙間時間ですが、その静かな時間がとても好きです。 もう相当昔のことだったと思いますが、今は亡き中野孝次さんが、「夜眠る前に、昔読んだ長編を少しずつ読んで寝るのが読書の楽しみ方の一つだ。最近は『白鯨』を少しずつ読んで眠りにつく」というような内容をどこかのコラム(たぶん新聞)に掲載していたことがあります。 それを読んで、「とてもいいなあ、自分もそうしよう」と真似を

    • 今更、大江健三郎(2)

      初期作品群(Ⅱ) 『セヴンティーン』『政治少年死す(セヴンティーン第2部)』 大江健三郎さんは、読み手によってかなり好き嫌いが分かれるタイプの作家ではないかと思っています。 熱心な愛読者も多い反面、アンチもまた多いという印象があります。 初期の作品群では、扱う題材に性の描写や暴力、殺戮など過激な内容が多いので、私の第一印象がそうだったようにそれを好まない読者もいると思います。また彼の文章が読みづらい、難解、という評もよく見かけます。それから別の大きな理由として、彼の政治的

      • 今更、大江健三郎(1)

        初期の作品群(Ⅰ) 今回は、私がこのところ継続して読んでいる作家、大江健三郎さんについて書いてみようと思います。 2023年3月、大江健三郎さんが世を去ってから約一年一ヶ月が過ぎました。 享年88歳。22歳で最初の短編『奇妙な仕事』を発表してから、最後の小説『晩年様式集(イン・レイト・ワーク)』を78歳で書き上げるまで、50年以上を走り続けた作家です。 大江健三郎作品を私はこれまで殆ど読んできませんでした。 学生時代に初期の作品『死者の奢り』『飼育』『セヴンティーン』など

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          今日は4月1日。 毎年、新年度っていいなと思います。 1月元旦を一年の始まりとしてスタートするのは一般的でしょうが、4月1日も新しい年度がスタートする出発の日です。電車の中で新しいスーツに身を包んだ人を見たり、ニュースを見ていて新しい顔ぶれになっていたりするのを見ると、新しい年がスタートしたんだとフレッシュな気持ちになれます。 新年度が始まって、学生の方は新しい教科書や文献などを読み始めるかもしれません。新しい本を読み始める時は、本当に心が躍るようです。 ところで、最近読

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        • 今更、大江健三郎
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          読書のついて

          突然noteを始めてみようと思いたちました。 私は他のSNSで読書について時々発信しているので、これまで発信する場所は一つで十分だと思っていました。 なぜ二つ目の発信場所を作ろうと思ったかというと、時々SNSでは書ききれない内容を書きたくなってしまうためです。ここでは、SNSのスペースでは書けなかった内容をまとめて書いてみようと思います。読書日記+日々の雑感のような内容にしていきたいです。 このところずっと続けて読んでいるのが大江健三郎さんの作品です。 大江健三郎さんは多作

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