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最近観た映画3つ(2023/3)

先日アカデミー賞の授賞式でも話題になっていた、最近観た映画がよかったので忘れないようにメモしていきます。

「西部戦線異状なし」

第一次世界大戦をドイツの兵士の目線から描いた話。
原作はすでに何度か映画化されているけど私は初視聴。

第一次世界大戦の西部戦線で、ドイツ軍兵士パウルは仲間たちと共に戦う中で、想像もしなかった絶望と恐怖に落ちていく。

filmarksより

心のエネルギーをがっつり削られる映画なので、そこそこ元気な時に見るべし。お風呂に入る気力がゼロになってしまった。

あっけなく、一瞬で周りの戦友たちが死んでいく。誰かを守るとか、ドラマチックに見せ場を作って命を落とすわけではない。たまたまそこにいたから、運が悪かったから。そこに何も理由や意味を持たない。

劇中では、損傷した遺体や殺しあいの場面をまざまざと見せるいっぽうで、いい食事して、ただメンツを維持したいだけの上層部もいて。

数百メートルの陣地を取るために300万人以上が亡くなったそう。この映画では主人公は一応いるけども一兵卒で消耗品として扱われている。戦争では人はコマでしかないとつくづく感じる。
どんどん顔つきが変わって、最後は諦念のみになる主人公の役者の演出が凄まじい。

中盤、ドイツ兵たちが戦車や火炎放射に驚き圧倒される描写があった。そういえば世界史で、第一次大戦から近代的な兵器が使われたと勉強したな。
主人公たちの目線を通して、見たことのない兵器や塹壕戦に対する恐怖、絶望を体験しているようだった。戦争の惨状はフィクションを見ただけじゃわからないだろうし体験したくないけど、虚しくて残酷なだけ、という事実を突きつけられる。

「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」

経営するコインランドリーの税金問題、父親の介護に反抗期の娘、優しいだけで頼りにならない夫と、盛りだくさんのトラブルを抱えたエヴリン。そんな中、夫に乗り移った“別の宇宙の夫”から、
「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒せるのは君だけだ」と世界の命運を託される。まさかと驚くエヴリンだが、悪の手先に襲われマルチバースにジャンプ!

公式

「あの時こうしてたら」「こっちを選んでたら」どん底の主人公の女性が自分と家族の人生を見つめ直し、虚無主義を象徴するベーグルに世界が取り込まれるのを防ごうとする話(意味わからん)。

話の流れは何とか着いていったけど、もう一回見れば、映像表現をより楽しめそう。目まぐるしく変わるファッションとかカットとか。

親子愛というテーマはよくあるけど、ギャグと壮大なスケールで描いてて楽しい。アカデミー賞でも最多の7冠。さまざまなところで評価されたのは、映画同様に苦労してきたアジア系の役者たちのこれまでが労われているようだった。

「ヒットマンズレクイエム」(2008)

各賞でノミネートされてた「イニシェリン島の精霊」を見逃したので、代わりに同じマーティン・マクドナー監督の他の作品を鑑賞。
コリン・ファレルとブレンダン・グリーソンが両方の映画でコンビ主演。

一仕事終えたヒットマン、(コリン・ファレル)とケン(ブレンダン・グリーソン)はボス(レイフ・ファインズ)の指令で風光明媚な観光都市・ベルギーのブルージュへ。やがてケンに、ボスから「レイを消せ」という密命が入る。しかも一度キレたら手に負えないボスが直接ブルージュに乗り込んできた!

NBC Universal

犯した罪に苦悩するレイ。友情と、ボスへの義理に悩むケン。筋を通す非情なボス。ベルギーの古都を舞台に、殺し屋たちの三つ巴の戦いの行方は。

テーマは「スリービルボード」のように、宗教チックなところもあり重め。基本ブラックコメディ調で後半はけっこうシリアス&バイオレンス。
これどこがR18なんだろって思ってたけど、途中でどうなるか察せられて辛い。ケンがいいやつすぎる。殺し屋なんだけど。

あんなに死にたい死にたいって言ってたレイの最後は、心境の変化に繋がってなるほどと。展開もこれまでの人物の言葉を回収していく美しさがあった。後味そんなよくないけど、心に引っかかる感じ。
あと、自分が歳を取ったからか、コリン・ファレルの困り顔の魅力に最近気がついた。
レイが毒づきまくってたブルージュにいつか行ってみたいな。

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