「ワクチンを打てない人もいるので、差別にならないよう注意しましょう」
　「打てる人がみんな打てばいいのにね」

　これを聞いてどう思いますか？特に違和感がない方もいるかもしれません。
　では「打てる人」「打てない人」ってどういう人でしょうか？
　また、「打てる人」「打てない人」という表現には「打てるけど打たない人」の存在が暗黙の了解であるわけですよね。これについてもどう思いますか？

　まず「打てない人」と聞いて思い浮かぶのは重度のアレルギーを抱えている方。アナフィラキシーやADEMの既往歴がある方などです。では中くらいのアレルギーだとどうなのでしょうか？軽度のアレルギーでは？コロナワクチンは人類に初めて使用する薬剤なのでアレルギーに関する情報が少ないのです。だから、どんなアレルギーを持っている人がどんな副反応を起こすか分からない。アレルギー1つとっても「打てない人」と「打たない人」にはグラデーションがあることがお分かりになると思います。

　他には、過去のワクチンでトラウマがある人。宗教が理由で打てない人。自然派思考の人。動物実験に反対する人。思想信条で打たない人。打てない理由には様々あると思います。

　「打てない人」と「打たない人」の間にはグラデーションがあるし、その線引きは誰かが定められるものでは無いと思います。そんな中「ワクチン打ったか？」と執拗にきく行為はハラスメントに当たりませんか？そもそもワクチンの接種状況の背景には上記の様々な個人情報が含まれうるのでプライバシーの侵害にも当たると思うのです。

　　にも関わらず一部の自治体を除き公的機関は「ワクハラ」に対して具体的な対応を取っていません。なぜ「ワクハラ」対策に消極的なのでしょうか？皆さん一緒に考えてみませんか？ぜひコメント欄でご意見をお聞かせください。

※アナフィラキシー：アレルギーのうちで、特に症状の激しいもの。薬物ショックなど。（デジタル大辞泉）

※ADEM:麻疹・水痘・ムンプス（流行性耳下腺炎）・インフルエンザなどのウイルス感染や、狂犬病・種痘などのワクチン接種の後に、まれに発症する脳神経系の病気。脱髄疾患の一つ。頭痛・発熱・嘔吐・意識障害・痙攣、あるいは対麻痺（両下肢麻痺）などの運動障害が現れる。ステロイド剤などの投与により完全に回復することが多い。急性散在性脳脊髄炎。（デジタル大辞泉）