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1年間を振り返り、4月からの方針を考える。「庁内報」つくってみようかな・・・

市役所の人事異動は、「転職」に近いです。

去年の4月に、今の部署に異動になりました。
今までやったことのない業務で、
ある意味、転職して、
その部署の「長」になるのは、
珍しくもない、市役所あるある。

とはいえ、しんどいよね。


この1年を振り返って、大きな出来事を振り返ります。

第1位は「観光予算の調整」

私の勤める市は、いわゆる観光地ではないのですが、
どこの市町村も同じですが、地域の宝、地域資源はあります。
そういう地域資源をアピールしたり、
それをつかってイベントをしたり、
マスメディアや個人からの問い合わせへの対応をします。

それを民間団体と一緒にしているので、
それに対する民間団体からの「予算増」の強い圧力と、
「観光」を毛嫌いする一部声の大きい議員からの
議場での厳しい質問に、四苦八苦しました。

トップからの指示はありません。
私がすべて調整し、経過を報告し、方針を提案し、
「○○さんはなんて言ってた?」
「それで話をつけてこれるならいいんじゃないか」
みたいな指示のもと、
なんとか折衝しました。

いや~、ひやひやする場面がいっぱいでした。
言葉の選択が難しい、難しい。
この話題、好きな人は好きだけど、
嫌いな人は大嫌いだからね。

観光って、結局、行政の裁量ひとつです。
やるか、やらないか。
やりたいか、やりたくないか。

だから、ほんと、みんな好き勝手言いますから。

「あなたの味方です」という態度で
本当に何度も長時間、よく話しました。


第2位は「広報配布を自治会へ依頼」

前任からの引き継ぎで、
昨年度のうちに自治会とは広報配布について話し合いは済んでいる、と聞いていたので、
まさか、この調整に9ヶ月もかかるとは思いませんでした。

市役所が発行する広報誌は、
私の勤める市では自治会に配布を委託し、
全世帯への配布を行っています。

自治会に入っていない人には配布しないでいい取扱にしてくれと、
理事会で強烈な発言がありました。

広報は公費で作成している限り、
一部の人に届くけど一部の人に届かないことはしないこと、
弱っている人ほど紙でのお知らせを届けたいこと。
これを明確に何度も伝え、
だから
どこにどんな人が住んでいるかの様子を最もよく知っている自治会にお願いしたい、と。

ぶっちゃけちゃうと、ポスティング会社で十分なんです。
自治会の主な収入になっていて、自治会も自治会でやめられると困ります。
だから自治会をたてながら、自治会にお願いする形でお話しました。

いろんな可能性を調べては理事会に報告し、
理事会で宿題をもらい、
また次回の理事会で調べては報告し、
市の考え方を説明し、
本当に時間も体力も精神力もつかいました。

解決策は、配布委託料を上げることか?!と
覚悟し、トップにも財政部局にも
値上げになるかも、と報告していましたが、
そうではない方法で決着を見ました。

ただ、これは自治会の役員が代わるたびに
噴出しそうな議論です。
また別のトラブルがおきていることも
自治会担当の職員から聞いています。
また春からひと悶着ありそうです・・・

第3位は「ふるさと納税の制度改正」

去年の今頃、新聞記事に、
ふるさと納税の「隠れ経費」が掲載されました。
総務省はそれに敏感に反応し、
2023年5月に、制度改正、ルールの厳格化を決めました。
10月1日から適用とのこと。

産地や工程の確認、
地元産の割合、
対象経費の拡大などなど。

おりからの物価高騰で、
ふるさと納税の返礼品業者さんからは
値上げ、すなわち、寄附金の増額を要求されていたこともあって、
寄附金額の増額を決めました。

ただし、うちの市は意図的に9月1日から値上げしました。
対象経費がギリギリだったんです。

読み通り、駆け込み需要が9月にあり、
5割ルールは無事にクリアできました。

ただ、
返礼品を地元以外から入手し、
域内の倉庫に置いてから出荷していた、
脱法スレスレ商品を扱っていた自治体は、
9月末にかけて値下げ在庫一掃セールを仕掛けてきたので、
在庫一掃セールをしなかった私の市は、
思ったよりも金額が伸びませんでした。

12月も、例月の数倍の申込があるのが例年ですが、
そこまで伸びませんでした。

みなさん、9月末の投げ売りで
ふるさと納税の枠をつかいきってたのでしょう。

年のトータルで、ふるさと納税は去年と同額。
これはある意味大苦戦なのです。

毎年2割以上の伸び率をみせてきたふるさと納税が、
伸びなかったというのは、
市の歳入に影響アリアリです。
歳入予算よりも数千万円少ない歳入決算になりそうです。

なので、4月からは
4大ふるさと納税ポータルサイトのうち、
もう1つを増やして、
そこの顧客を獲得しようと思います。

歳入の見込み減がありそうだったら対策を考えておく、
これは仕事の王道ですよね。

このふるさと納税業務って、
市役所の仕事の王道からはかなり外れています。
本当にネット通販です。

返礼品の苦情対応も月に何件かあります。
また機会があれば
ふるさと納税事務の裏側もnoteします。

うちは、生の果物はないからマシだと思いますが、
生鮮食料品を返礼品にしている市は、
苦情対応も大変じゃないかしら。

ふるさと納税の返礼品を転売している人なんかは、
本気の怖い声で主張してきますから。


第4位は「職員対象の広報説明会」

広報の方法などを中心に、
全職員対象に説明会を実施しました。
内容を変えて2種類を、全9回。
広報の必要性、心構え、役割、ねらい、
そして今年度はホームページの重要性と操作方法を。

今までそんな研修を広報がやってこなかったこと自体が問題だと私は思っていて、異動が決まったとき、これはやりたいと思っていました。
これだけ自治体間競争、見せ方、伝え方と言われて久しいのに、
職員全体に統一的な考えを説明していないなんて、
ある意味、トップの責任問題じゃないかとも思います。

どうやって説明会をすればよいか、
前例がないわけです。
なので、うちの全職員が数ヶ月かけて話し合い、
私は上司、副市長、市長に何度も説明し、
やっと実現しました。

第1位の観光予算の調整と同じで、
これも明確な指示がありません。
なのに、表現の文字だけ修正を加える上司(笑)

結局は、特に指示もないままに、
私のやりやすいようにやらせてくれました。

説明のパートを分けて、
誰が説明するか、提案してもらい、
詳細の内容は説明者に任せました。

この説明会が面白かったんです。
説明者が入れ替わることで、
気づきがあるというか、
そうか、そんな視点があったのかとか、
こんなことを考えていたのかとか、
得るものが多くありました。

素材や動画撮影なども、職員が自主的に動いてくれ、
「こういうことをやらなくちゃいけなかったですね」
と、
一番長く在籍する職員が言ったことが嬉しかったです。

また来年度も内容を変えながらやりたいと思います。


番外編 「メンタル理由による職員の退職」

課長に昇任し、人事異動でこの部署になった直後、
突然市役所に来れなくなり、退職していった職員への対応。
なかなか厳しかったです。
もう過ぎたことなのでこれ以上は言及しないことにします。


来年度以降やること

たぶん、観光も、イベントごとも、ふるさと納税も
そのたび、困難があることでしょう。
なんせ、今年度で課長が2人辞めるんですから。
ひえ~

・・・何があっても、対応するしかありません。


来年度は、
プレス資料の公表
民間団体の会員特典導入による会員増
タウンミーティングの開催方法変更
若者タウンミーティングの本格実施
(今年度は試行だといって2回実施しました)
若者フリースペースの試行
これは攻めてみたいと思います。

国のこども計画が決定されたので、
4月からは若者活躍が議員の関心事でしょう。
なにか、やっておかないといけないなと思います。


考え中ですが、「庁内報」をつくりたいと思います。
市役所の他の部署の仕事を知るためにも、
職員の活躍を知るためにも、
明るいグッドニュースを広げるためにも。

広報では取材した記事を、
うちの市ではFacebookに投稿しています。
それを、
職員の仕事を加えて庁内報として紹介すれば、
さほど負担にもならないと思います。

業務が増えることは、しかもそれが対市民ではなく対職員の事務で業務が増えることはなかなか認めてもらえないので、これが苦肉の策です。

それを紙で印刷して回覧する方法では、
これまた経費がどうこうと言われてしまいそうなので、
ベースはSNSまたはnoteにしようかと思っています。
ただ、コメントはできない設定にしたいです。

文章中心で、写真を追加できる、
そして公表もしてしまえば、
実は庁内報と言いながら、
対外的にも説明になるのでは?
と思っています。


もっと市の仕事を、
職員の思いを
身近に感じていただきたいと思うのです。

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