難病持ちアラサー女性、転職をする【心不全といっしょ vol.2】
もう1年前の話になりますが、27歳の時に転職をしました。ただでさえ色々と考えること・悩むことがある転職活動ですが、持病があると
病気をオープンにするか
就労における配慮事項をどう伝えるか
(障害がある場合)一般募集枠にするか障害者枠にするか
も考えなければなりません。拡張型心筋症とお付き合いをしており、ICD植込によって身体障害3級に認定されている私もかなり悩みました。
結論から言うと、私は病気はオープンにして転職活動し、結果として今満足して働けています。ただ、途中考えることもやっぱり多かったので、今回は難病持ちアラサー女の転職活動がどんなもんだったかここに書き留めたいと思います。
持病抱えて転職活動やってみた
先にざっくり中の人の属性と今回の希望条件を書いておきましょう。
四年制大学の文系学部出身で、前職は企画系の仕事をしていました。今回は異業種異職種のいわゆる「ポテンシャル採用」を目指す転職活動です。とはいえ、こじつければ業種・職種ともに経歴と薄〜く関連があると言えなくもなくもない感じです。
ちなみに転職理由は端的に言うと「やりたい仕事が組織の都合でできなくなったから」で、働きながら活動してました。
ステップ①一般募集枠にするか、障害者枠にするか
私はICDを入れていることから身体障害3級に認定されているのですが、
職種がかなり限られること
正社員枠がごく僅かであること
障害認定事由(=ICD植込)に直結する制限事項が深夜労働・重量物運搬の2つで、職種的に一般枠でもクリアできそうだったこと
が理由で、一般枠で足掻けるだけ足掻くことにしました。
ステップ②病気をオープンにするか
「持病 転職 隠す」みたいなワードで検索すると色んな意見や体験談が出てきますが、色々考えた末、病気はオープンにしていました。その理由は、
心電図は法定の健康診断のマスト項目であり、絶対バレるから
持病が理由で勤務中にトラブルが発生した際、私も会社も責任を問われかねず誰も幸せにならないから
体調が変化した際に何のサポートも受けられず即退職になると、今後のキャリアが修羅の道になりそうだから
の3つ。
会社を転々としているとよい印象を持たれないのが日本社会の現実なので、病気が離職事由に直結しかねない状況を避けるために、長期戦覚悟で「最初から病気を受容してくれる会社」を探すことにしました。
ステップ③就労における配慮事項をどう伝えるか
面接後半で必ず聞かれる「働く上で配慮が必要なことはありますか」というアレ。
履歴書の記入欄には「深夜労働と重量物運搬がNG」と書き、面接で「過度な残業には制限が加わる可能性がある」と付け加えていました。あと通院頻度(月1回土曜日・四半期に一度平日検査)も話してましたね。
意味があったかは謎ですが、「…という制限があります」で終わるとなんとなく後味がよくないので、
しっかり通院して自分の体調を理解していること
通院スケジュールもしっかり管理していること、業務に影響を及ぼさないこと
制限があっても入社後活躍できると思っている理由
といったポジティブなテイストの文言も添えるようにしていました。
実際「クライアントワークだと仕事のペース調整が難しい」という理由で企画職に限定し、体調管理がしやすいように在宅勤務やフレックス制度がある企業に絞っていたので、「募集した職種をちゃんと理解していますよ」「制度など企業分析ちゃんとしてきましたよ」アピールをする場だと割り切ってました。
ちなみに障害者手帳の保有有無については、聞かれたら正直に答えようと思っていましたが、5社面接してどこも聞かれませんでした。
おまけ転職エージェントを使うかどうか
持病の有無に関わらず転職エージェントを使うかどうかって地味に悩むポイントだと思いますが、私は「職務経歴書を誰かに採点してもらいたかった」「求人を探すのが面倒」という理由でエージェントを利用していました。よくCMやってる大手のやつです。
で、私の場合はエージェントには持病があることは自ら伝えていました。前職の仕事内容が私の持病に絡むものだったため、それを正直に話すことがマイナスに聞こえるかを相談したかったため、打ち明けた感じです。ちなみに、障害は聞かれたら答えるつもりでしたが、会話には挙がりませんでした。
エージェントは同じ会社内でも当たり外れが激しいと聞くので、持病を明らかにすることで対応が悪くなる・何か傷つくことを言われるといったことが起こる可能性はゼロではないと思います。
面接先に関しては労働契約を結ぶ先なので、隠す・嘘をつくことはNGだと思っています。ただ、転職エージェント会社からは怒られるかもしれませんが、彼らはあくまで仲介でしかないので、求人紹介をしてもらう役割としてだけ利用するのも選択肢のひとつだと思います。
経歴が求人に合致するかはエージェントも判断できますが、健康状態が判断にどう影響するかまでは預かり知る範囲ではないでしょうしね。
まとめ
20代後半は元気な人が大半ですし、同等のスキルを有する持病のある人/ない人が同時に応募してきたら、私が企業側なら当然後者を選びます。
せめてもの悪あがきとして私が選んだ行動が、同等のスキルの応募者がいたときに「この人の方が話した印象はよかったな」と思わせることに意識を全振りすること。
「問題なく働き続けてくれるか」という面接官の心配をクリアするための説明事項の整理と、自己分析・想定問答予想を徹底的にやる。これが功を奏したのか、たまたま運がよかったのか、持病を伝えた1次面接(計5社)の結果は4勝1敗でした。
実際にやってみた感想として、持病ありの転職活動を次もやりたいかと聞かれると正直NOです。ただでさえ落とされると「私の経験・能力は無駄なのか…」とブルーになるのに、そこに「持病があるとやっぱり雇ってもらえないのね…」まで加わるのでメンタルにきます。
健康な人以上に覚悟・努力・準備が必要になる持病ありの転職活動ですが、落とされた企業に対しては自分の能力不足説は都合よく無視して「年重ねて病気になったら大変な会社だと知れてよかったワ〜」と割り切っていきましょう。
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