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顔認証時代にできる緊急搬送時への備え 〜指紋認証への愛を込めて〜

縁起でもありませんが、人間いつ何時急病や事故で救急搬送されるか分かりません。私のような持病ありの人はもちろん、今健康な人もです。

早速自分語りをしますが、私は5年前職場からの帰り道で突然心肺停止状態になり緊急搬送されました。

4日間生死を彷徨った末、目を覚ますとそこには見慣れた顔が。何があったのか聞くと、まあもう色々な奇跡や機転が重なっていたのですが、そのひとつが指紋認証だったのです。

あれから5年、私のiPhoneも8→11→15になり、ロック方式も指紋認証から顔認証が当たり前になりました。そしてふと思ったのです、「万が一あの時と同じ倒れ方をした場合、私はどうなるのか」と。

なにかのご縁でこの記事を開いた健康なアナタもそうでないアナタも、ちょっと「万が一」を考えてみませんかっていうそういう話です。


心停止時、どうやって連絡が回ったのか

  1. 救急隊員の方が私の指を使って指紋認証でスマホ解錠

  2. 電話アプリを開き、名前の後に「(緊急連絡先)」と書かれた登録先を見つけてコール

  3. 夫に繋がり搬送先へ直行→かかりつけなど関係各所に連携

心停止で意思疎通が取れない中、入籍前だった現夫に連絡がついた流れは上記のとおりだったとのこと。当時、

  • 入籍前で苗字が異なる

  • 配偶者ではないため関係各所に緊急連絡先として伝えていない

  • 私の両親は他界しており、直接電話する以外に彼に連絡が行く手段がない

という事情があったため、同居開始時からなんとなく夫の名前の後に(緊急連絡先)と書いていました。

当時拡張型心筋症の診断がついて3ヶ月で、まさかこんな倒れ方をするとは思っていなかったのですが、その割にこの備えをしていたのは自分天才だなと思います。

が、そもそも指紋認証でロック解除できなければこの備えも無意味だったので、結局指紋認証様々だったわけです。

さようなら指紋認証、どうする顔認証

指紋認証は意識がなくても指で触れればロック解除できましたが、顔認証は意識がない状態で瞼を無理やり持ち上げても解錠できない可能性が高い。したがって、当時の備えでは不十分なことは明らかです。

伝える方法を考える前に、伝える内容を整理しよう

  1. 家族(夫)の電話番号

  2. ICD手帳の在り処

マストなのはこの2つ。服薬情報・かかりつけなども即伝わるに越したことはありませんが、最悪家族からの連携で間に合う可能性があるので、マストなものからは一旦外しました。

2について補足すると、私はICDというペースメーカーにAED機能を足したものを体内に植え込んでいます。救急搬送レベルだとMRIを実施する可能性は大いにありますが、こちらの医療機器はMRIではご法度の金属性。なので、「入っているICDがMRI対応モデルであること」が確認できないと検査ができません。

じゃあMRI対応であることをどうやって示すのかというと、ICD手帳というこちらのアイテム。基本携帯していますが、バッグの内ポケットなど探さないと見つからない場所に入れていることも多いので「探せばあるから荷物漁って」ということを伝える必要があります。

顔認証時代にぶっ倒れた場合の伝達手段候補

  1. iPhoneのメディカルID

  2. 財布に情報をまとめた紙を入れておく

パッと思いつくのがこの2つ。結論から言うと、私は2をメイン・1をその補助として活用することにしました。

①iPhoneのメディカルID

via:https://support.apple.com/ja-jp/HT207021

iPhoneの一機能であるメディカルID。ロックを解除しなくても、電源OFF画面と緊急電話画面から閲覧でき、項目も結構詳細に設定できます。

弱点は①個人情報が悪用されるリスク②内容の信ぴょう性が担保されないことです。

①は、本人・緊急連絡先の氏名や電話番号を記載すると、当然携帯紛失時に悪用される可能性はあるよねというあたりまえ体操な話。そのリスクを考慮してか、ロック解除しない場所には非表示にする設定も用意されているのですが、それではあんまり意味ない気もするわけです。

いざというときには遠隔から消去もできるようですが、その時には既に見られているかもしれないとか思うと、なんとなく怖い。

②は、病院が発行しているわけではない情報をどこまで救急隊員が信用するかということに疑問があるから。私自身も服薬内容が変わったとき即座にメディカルIDを修正するかと問われると、正直自信はない。

ということで、

  • 氏名・電話番号などの個人情報は伏せる

  • ICDが入っていること・手帳を携帯していること・夫の名刺が財布に入っていることを自由記述欄に書く

  • かかりつけの病院名も合わせて書いておく

といった形で、メディカルIDは財布とセットで本人確認がスムーズになる補助アイテムとして使うことにしました。なんだか二要素認証みたいですね。

②財布に情報をまとめた紙を入れておく

上記メディカルIDの懸念を踏まえて、保険証と重ねて夫の名刺を入れ、私用携帯番号と合わせて「ICD手帳あり〼」のような注意書きを添えるという、アナログな手法が確実かなという結論に。財布の中に同姓の名刺があったら夫だとすぐ分かるはずなので。

私の感覚では「紛失するとヤバい度(≒管理を気をつける度)」で言うとスマホ<<財布なので、個人情報を入れるなら財布かなという結論に至りました。

まとめ

ということで、私の顔認証時代における緊急搬送への備えはこんな感じになりました。

  • 緊急連絡先の人の名刺に伝えたいことを追記し、財布の中で保険証と重ねて入れておく

  • メディカルIDは財布に必要情報がある旨を書いておく

以上、「顔認証と指紋認証どっちが好き?」と言われたら顔認証派の人による、緊急時の備え講座でした。(※指をホームボタンに合わせようとしてスマホがずり落ち、画面バキバキになった悲しい過去を思い出しながら)

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