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『初めて語られた科学と生命と言語の秘密』読み始めました。

はじめに

ちょっと移動時間がある時は、本を読みたくなる。手持ちがないので本屋で調達したのが最近出版されたばかりのこちらの本でした。

『初めて語られた科学と生命と言語の秘密』編集工学の提唱者であり、博覧強記としても知られる松岡正剛氏と、数学者であり複雑系科学の第一人者である津田一郎氏の対談本です。

気になるタイトルと、過去に著書を読みいつも知的好奇心がくすぐられる松岡氏の2点が決め手となり購入し、読み進めています。

読み始めて思ったこと

読み始めてからすぐに2人の縁が繋がったきっかけが書籍『〈いのち〉の自己組織: 共に生きていく原理に向かって』などの著者であり、生命科学、場所論を専門とされる清水博氏だと書かれていて、いきなり「これは(個人的に)当たりだ」と感じました。というのも、清水博氏は前述した書籍や、日本におけるティール的経営の先駆的事例とも言われる前川製作所の現顧問である前川正雄氏との共著である「競争から共創へ―場所主義経済の設計」を読み、より深く理解したいと思っている人の1人である清水さんが登場したということは、似た感性・質感があるはずだと思えたからです。

ますますいい予感が高まりました。

そんな幸先のスタートを切りながら読み進めていくと、数学・物理学などの理論や人物がどんどん出てきて、少し怯みました(笑)読書あるあるですが、慣れ親しんでいない単語が並んだり、その用語の説明に出てくる単語の意味が分からない場合には、(あくまで比喩的な表現として)左脳が「え、これどういう意味?」とおしゃべりをし始め、読むことにサイドブレーキがかかったような状態になり、本をパタンと閉じたくなりますね。しかし、幸いなことに意味が分かっていなくても何度か目にしたことがあり、どういう文脈のものなのか程度は知っている単語が多かったのと、一度読むだけで分からなくていいという健全な諦め力を発揮することで(これを発揮できるようになると読書が得意になっていきます)、読み進めていくことができています。

第1章を読み、気になったキーワード・フレーズ

・三浦梅園という人物気になる

江戸時代の思想家、自然哲学者。気や理などの朱子学の用語を使いながら、自然の条理を探求して条理学という体系を作り上げた。

書籍p386の注釈を引用

・世界観についての話、興味深い

『世界を予定調和的に見るか、そこに法則を破る「破れ目」として「神の目」や「悪魔の目」をおくか、それとももっと複雑なままに捉えるのか、予測不能な世界を想定するのかという世界観をめぐる話』

p 13 松岡正剛氏の発言の引用

→今の自分は?と思うと「複雑なままに捉える」というある意味で解釈を脇に置いて世界を観ようとしている、そこに偏っているとも思えるなぁ。

・科学とカオスの関係

『決定論(※)が近代科学を支えてきた。ところがカオスはそもそも時間の前後関係が意味を持たないわけです。それどころか、終わりから始まりが見えてくるという時間の逆転構造があって、原因と結果という考え方そのものが意味を失ってしまう。そんなカオスとは、従来の科学の見方に根底から転換を迫るものだった。』

※ニュートンの運動方程式などのように、観測を始めたときの位置や速度といった初期条件だけでなく、どの瞬間でもその瞬間の物体の位置と速度がわかれば、全過去と全未来が一義的に定まるような因果関係的な記述のこと。

p13,p386から引用

・「意識と意識以外をつなぐ役割が数学にはある」というフレーズが興味深い(p 14の津田一郎氏の発言)

数というものは数学者が発見したものだけれど、同時に作り出しているものでもある。実は数には人間の意識が集約されているんです。

p14から引用

・解釈学というものがあるんだなぁ


さいごに

この対談本には自身が知りたい系譜など、たくさんのボキャブラリーを増やすことにつながると感じてきているので、繰り返し読んだり、このようにアウトプットすることを通じて学んでいこうと思います。


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