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コロの赤ちゃんの名前をつけれてあげれなかった僕・・

「お母さん、コロの赤ちゃんすごく元気」

「うん、目も開いて可愛いねぇ~」

キュンキュン鳴いて抱っこすると暖かい。

コロもすっかりお母さんになって逞しい。

数日経ったある日

「お母さん、赤ちゃんの名前なにがいい?」

「男の子と女の子がいるから・・あ、ジョンとかは?」

「うん、カッコいいけど、赤ちゃんたちはあげることになったの」

「あげる?・・誰に?」

「よく見に来てくれてる人が欲しいって」

「えぇーーいやだ!!」

僕は、コロと赤ちゃんたちとずっと一緒にいれると信じていた。

「うちはコロしか飼えないから」

「何で?何で?」

お母さんがいうには、お世話が大変で無理と言いました。

僕がお世話するって言っても無理だとお母さんは言った。

二人のお兄ちゃんにも加勢してもらって抗議したけど、お父さんまでダメだと言う・・・

何で・・・僕は泣いた。

「コロが可哀そう」

「うん・・」

困惑してるお母さんは

「犬を飼うって可愛いだけじゃ飼えないよ」

ご飯、散歩、糞の始末と1日もサボることはできない。

僕は、学校もあるし、ゲームもしたい・・

お世話は、全部お母さん・・・

「貰ってくれる人は、きっと可愛がってくれるから」

僕、名前つけたかった・・

「コロが淋しがる」

「うん、そうねぇ~」とお母さんもコロを優しく撫でた。

数日後、赤ちゃんは顔見知りの人に3匹とも大事に抱っこされて「可愛いぃ~」と言って子犬の足をバイバイと僕に振って見せた。

大泣きする僕に

「あぁ~泣かないで、また見せにくるからね」と言った。

泣きたいのはコロも同じだ。

その夜、僕はコロの側にずっと一緒にいた。

しまいに、お父さんに「家に入れないからな!」と怒鳴られた。

コロは、クゥンクゥンと鳴いた。

僕が側にいるからね。


僕がいるから

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