見出し画像

春のような温かさがいつもある学校に… あなたが言葉や行動を選び取る基準は 外でなくあなたのうちにあるのだね 〜心の宝物186

🌷体育館の掃除当番


コロナ機の学校
4年生の掃除場所に体育館がありました。かつては全国有数の大規模校でしたが、今は学年2クラス。掃除場所の分担もなかなか難しく、体育館を担当するのは1グループ。広い広い体育館を4~5人で掃除することになります。

その子によっては、体育館の掃除はほっとするようです。校舎からは渡り廊下を経て30メートルほど離れており、少し大げさに言えば隔絶された別世界。同じグループ以外の児童や、先生方と接することもほとんどありません。私も、励ましに行く頻度はどうしても低くなりがちです。そんなことから、よくも悪くもリラックスできるようで、ときおりふらっと入っていくと、慌てて居住まいを正すような姿を微笑ましく思ったものでした。

🌷あなたが言葉や行動を選び取る基準は 外でなくあなたの内にあるのだね


その日も、そんな雰囲気がありました。私が入るまで、明らかにリラックスしていた子たちの中で、その子から伝わってくる空気が、ただ一人変わらなかったのが、ステージの上を掃除していた彼女でした。

活動的でバスケットボールが大好き。人と対するときの柔らかな笑顔は、その人に温もりを届ける力があります。出会うときは、笑顔で必ず挨拶や会釈を届けてくれます。この日も、私が体育館に入ったことには明らかに気づいたようですが、あえて掃除に集中することを選びとったようでした。
それまでやや注意を欠いていた子たちとはちがう。いささかの揺るぎもない姿で、丁寧に、繊細にほうきを使う、ステージ上の彼女からは、そんなプライドが伝わるようでした。

誰かが見ているか見ていないか、自分の言葉や行動が人からどう見られるのか。私たちの行動は、しばしば、こういうことに左右される。いや言い直そう、そういうことを基準にして、そのときの自分を選びとる。

それは、周囲の人を心にかけていることでもあるし、決して責められることではない。しかし、どこかで、そんな自分に疑問を持つときがくる。自分の中の自分の声が聞こえるようになったときだ。周りに左右される自分でいいのか、誰かが見ているのかいないのかで行動を変える自分でいいのか。誰が見ているのかいないのかでなく、自分がどう感じたか、どうした方がいいと考えたのかで自分の生き方を決めたい。言葉や行動は、自分の心の声にしたがって決めたい。

そう思えるようになったとき、その人は成長という名の階段を一歩登ったのだと思う。
決して低い階段ではない。寧ろ、険しく高い一段。大人でも、登り切れない階段。

このときのあなたは確かにその階段を登っていた。体育館のステージはあなたの成長というステージでもあったのだと思えてくる。自分の言葉や行動を決める基準を、自分の中に持って、あなたはそこにいた。それは、あなたが思うよりずっと素敵なことなんだよ。これからもそんな自分を好きでいてください。

実はこの後、転校することが決まっていた彼女に、そんな思いでお伝えしました。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?