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依存症の父

この文章を読んでハッとした。「必死でおどけてみせます。」まで全く自分の家族と一緒。そして初めて気づいた。自分の父親はおそらく「ギャンブル依存症」と「アルコール依存症」だった。

引用元:https://www.lettuceclub.net/news/article/1159654/

私の父親はこんな人だった。
・会社をリストラされ、退職金を全て競馬に注ぎ込む
・しょっちゅうパチンコに行く
・いつもお酒の匂いがする
・昼夜構わず声を荒げて母親と喧嘩をする

私が小学校4年生の時に両親は別居した。母親がずっと言っていたのは「離婚したら母子家庭手当とかもらえるのに、離婚してくれないからもらえない」。二人の子どもを育て、非正規で働く母親に、父親は十分なお金を渡していなかった。(それでも母親は私たち二人をしっかり育ててくれた。)

私が17歳の時に、父親が脳梗塞で入院した。左半身麻痺と認知症を患い、一人暮らしをできる状態ではなくなった。私の祖父母にあたる父の両親は既に亡くなり、唯一身寄りとなる妹は遠い千葉県に暮らしているため、私と母親で父親の部屋を片付けに行った。

その時に初めて、父親が自己破産をしていることを知った。

私はこんな家の状況を、恥ずかしくて友達にはとても言えなかった。みんな塾に行けて私立の大学を受験できるのに、なんで私はできないの、なんでうちにはお金がないのってずっと思っていた。でも仕方ないと諦めていた。親が喧嘩するのも「うちではこれが当たり前」と我慢し、人に相談はしなかった。頑張って勉強し、大学に進学した。

父親が病気になったのも、自業自得だと思っていた。


冒頭の記事を読んで、父親は病気だったんだなと思った。
ギャンブルをするのもお酒を飲むのも、父親が抱えてきた苦しみから解き放されたかったからではと思う。
そんなことを思うと、胸がギュッとする。私たち家族が、「ギャンブルもアルコール依存も病気だ」と知っていたら、父親を救うことはできたのだろうか?家族はもっといい形になっていたのだろうか?

父親が認知症になって10年経った。今でも胸が苦しくなるのは、優しい父親の姿も私の心に刻まれているからかもしれない。


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