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強く、しなやかに生きていく

娘の名前に「琴」という漢字をつけた。
琴の音色のように、「強くて、しなやかに育ってほしい」という願いを込めて。

母が和楽器販売の仕事をしていたので、私はよく「お琴」の音色を耳にしていた。小学生の時には少し習っていたこともある。

「お琴の音色」というのは、力強くてしなやかさがある。
弦を爪ではじく。お琴の弦というのは、細い糸をぐるぐると巻いてできているので、意外と太い。はじくとビィーンと振動する。


転職活動をきっかけに、「働きかた」や「仕事」について考えることが多くなった。
そんなとき、手に取ったのがこちらの本。

これが私の生きる道!彼女がたどり着いた、愛すべき仕事たち
※Amazonリンクは廃止されたみたいですね~。悲しい。


もちろん図書館で借りました!笑

みなさん、"強くしなやか"に生きている。

結婚や子育てで苛まれる、苦労するのはいつも女性。
キャリアを諦めなければならないのはいつも女性。
そんな考え方ではなく。

「この道がダメなら、別の道もあるんじゃないか?」
そう考えて選択できるのではないか、と思うのだ。

道は一本じゃないし。選択肢はひとつじゃないのだから。
柔軟に選択すればいい、そう思うのだ。

この本に登場する女性たちは、自ら起業した方ばかりだが、会社員として働く私にも響く言葉がたくさんあった。

逆境を跳ね返すというような力強さでなくてもいい。
時には「この道じゃなかったな」と引き返したり、別の選択を選んでもいいかもしれない。
「フルアクセルを踏めない」と思ったときには、無理をしなくてもいいんじゃないか。


「星野さんってしなやかに生きてるよね」

仕事で一緒になった、少し年上の女性に言われたことがある。
びっくりした。
私のどこがしなやかだって!?

「適齢期で結婚して、子どもも産んで。子育てしながら働いて。ひとつひとつ着実に、選択しながら前に進んでる感じするから。」

「私はこの歳になっても結婚もしていないし、これからもするかわからない。でも、仕事が生きがいってわけでもないし。愚直に仕事することだけを考えて一生懸命になってきたけど、他の選択肢もあったのかなぁ、なんて思うんだよね。」

彼女からすれば、私は「柔軟にいろいろなことを選択して生きている」ように見えたのかもしれない。
いえいえ。そんなことはないんです。


27歳まで誰ともお付き合いしたことがなかった。
叔母の紹介で、今の夫と知り合い、結婚を前提にお付き合いする形になったのだが、そこまでたどり着くまでにはまぁ大変だった。

24歳くらいから「誰かと恋愛がしてみたい」と思うようになり、知人に紹介してもらったり、街コンに行ってみたり…ととにかく動いた。
けれども、男性に免疫がない私はどこへ行ってもうまく話せず、いつも「また機会があったら」という社交辞令で、"さよなら"だった。
かと思えば、ものすごい勢いで距離を縮められそうに(あくまで私の感覚)なって、急に怖くなって私の方から逃げることもあった。

「あぁ、私は一生このままなのかな」なんて思って泣いた日もあった。
それでもあきらめたくなくて。
「こんな人と恋愛がしてみたい」と、ノートに書き綴った。
その後、夫と出会えたのだ。


子どもを持つことだって怖かった。
自分のことでも精いっぱいなのに、こんな私に子育てなんてできるだろうか。
それでも子どもを持ったのは、夫が「どうしても子どもが欲しい!」と懇願したから。

今の夫でなければ、私は子どもは産まなかったかもしれない。
今となっては、「産んでよかった」と思っているけど。
子育ては、私を一回りも二回りも強くさせ、成長させてくれているから。


渦中にいる私は「私なんてとちらかって、ぎりぎりで生きてるんですよ!」なんて思っていた。
それでも「諦めず、時には休みながら」「選択をし続けてきた」結果が「しなやかに生きている」という風に見えたのかもしれない。

30代も後半に差し掛かった今、それでも生きていくのに余裕なんてないのだが、今は「強く、しなやかに生きていきたい」と思っている。

「楽しそう」と思ったことには挑戦していきたい。
「無理だ」と思ったら、諦める潔さも持っていたい。
悩んでも、「自分で選択」していきたい。
そう思っている。

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