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キスマイの藤ヶ谷君が隣にいたはずなのに、目が覚めたら、横にいたのは息子だった

まだ6月だというのに、もう梅雨明け。
今年の夏も、暑くなりそうだ。

私は毎晩、息子5歳と娘1歳の間に挟まれて寝ている。
幼児ふたりの熱気といったら、もう、ひどい。

1歳の娘はまだいい。ベビーベッドで寝る習慣をつけたせいか、ゴロゴロ転がりはするが、自分の布団に収まってくれている。

問題は、5歳の息子。こちらは赤ちゃんの時から添い寝していたせいか、私が横にいないと眠れないらしく、いつもぴったりくっついてくる。
これがまた暑い。私の身体に乗せられる、手も、足も暑い。
そんな暑い体でぴったりくっついてくれるな、と思う。

「すぅ~すぅ~」

やっと寝静まったか、と思って子どもら頭に手をやると
「うぇぇえええ!なにこれ!お風呂でも入ってきたんか?」というくらいびしょ濡れになっている。

子どもってなんでこんなに汗かくんやろ?と思う。

子どもたちが寝たのを確認して(確認できずに寝落ちすることもあるが)、私もウトウトと眠りにつく。


それはとっても良い夢だった。
なんでかって、私の横にキスマイの藤ヶ谷君が横に寝ていて、ピロートークをしてくれていたから。

キスマイ。私が望んでファンになったわけではなく、会社の先輩がキスマイ推しで、

「星野さん!これ!キスマイのデビュー曲!聞いてみて!」
「星野さん!これ!キスマイのライブDVD!見てみて!」

と、次から次へとキスマイ関連のCDだのDVDだのを貸してくれた。

私も断るに断れず、なんとなくCDを聞いたりDVDを見たりしているうちに、「キスマイって頑張ってるんだな、いいな」と思うようになった。

「星野さん!これ!玉森くんの舞台のチケット!取れたんで一緒に見に行きませんか?」

ついに、玉森君と千賀君、宮田君が出演する舞台まで見に行ってしまうようになった。

あれからもう9年の月日が流れた。
私は結婚し、子どもも産まれ、キスマイを聞いたり見たりする時間がとれなくなった。

けれど、ときどきテレビに映る彼らを見ては「頑張ってるな~」と思っている。

話が逸れた。

夢の中で、キスマイの藤ヶ谷君が、私の手を握ってなにか話してくれている。夢のような時間だった。

藤ヶ谷君の手って、こんなに熱いんだ。
藤ヶ谷君の手って、こんなに小さいんだ。

そこでハッと目が覚めた。
私の隣で眠っているのは、藤ヶ谷君ではなくて息子だった。
私が握っていた手は、藤ヶ谷君の手ではなくて息子の手だった。

せっかく、いい夢を見ていたのに・・・と思う。
「汗、かいてないかな?」と息子の頭に手をやると、さらさらとした髪の毛に触れた。
柔らかな息子の髪の毛。
これもこれでまた、いいのかなぁと思った。

反対側を見やると、娘はうつ伏せで「行き倒れた」ように眠っている。
娘の頭にも手をやる。娘の髪は薄い。私の子どもの頃そっくりだ。
ふわふわした娘の髪の毛を触る。
ゆっくりおやすみ、と心の中で話しかけた。

さぁ、もう一回寝よう。
今から寝たら、また、さっきの夢の続きが見れるかもしれない。

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