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選ばれる理由、選ばれない理由。

「なんでこれにしたの?」
あれ? なんでだろ。んー、なんとなく?
「あれじゃダメなの?」
「こっちでもいいんじゃない?」

何かを選ぶとき、あるいは何かが選ばれるときどのようにして選んだり、選ばれたりしているんでしょうね?

日々選択したり、選択されたりする場面は多々ありますよね。

優柔不断でなかなか選べない。
選ぶのに人の意見に左右されちゃう。
選ばれたいのに、選んでもらえない。

そんなこと、よくありますよね。

これって、選ぶ判断基準がわかっていないからなのかな、って思ったんです。

じゃあ、その選ぶ判断基準ってどうやって決めたらいいの?

そうですよね。その決め方も難しい。能面の素材の選ばれ方がそのヒントになるかも、と思ったので、お話させてくださいね。

テーマ 能面の素材

「能面って何から出来てるの?」ってよく聞かれます。
材料はコレです。

木曽ひのきの木材。


「え! 木なの? 張り子のお面なのかと思ってた」という方もたまにいらっしゃいます。能面は紙でできた張り子のお面じゃないですよ。能面の材料にはよくひのきが使われています。

じゃあ、なぜ数ある木材の種類の中で、ひのきを使うのか?
他の木材ではダメなの?

時折、ひのきよりも値段が安いからとか、他の用途のものが余ったからなど、様々な理由でひのき以外でトライされる方がいらっしゃいますが、作業過程や出来上がり、それから後々何年も経ってから、問題が起こることもあるみたい。

ひのきが選ばれているのには3つの理由がありました。

その理由がなにかというと、こちらです。

理由① 軽い。

能面は、能舞台能役者さんが顔につけて使用します。もし重かったら、とてもじゃないけど長時間の舞台を務められません。なので、能面の素材として、軽さはとても重要です。

理由② 耐久性。

今述べたように、能面は能舞台で使用される小道具であります。となると、耐久性も必要になってきます。しかも一度きりではなく、何年にも渡って、繰り返し使用されます。

現在でも、室町時代や江戸時代に作られた数百年前の能面が使われています。なので、割れやすかったり、凹んだりするのは困るわけで、適度な強度が必要です。

理由③ 彫りやすさ。

ノミや彫刻刀で彫るのに適していることも条件になってきます。材質が硬すぎると、人の手で彫るのは大変です。彫刻刀で彫るのに適した木であることはとても大事。

いろいろな木材で試してみるとわかるのですが、木の種類によって彫り心地がぜんぜん違います。硬い木では全く思ったように進まないし、かといってサクサク彫れる柔らかすぎる木だと、②の耐久性が心配になってきます。

結論 選択基準の明確化

なるほど。3つそれぞれの条件を満たしてないといけないし、そのバランスも必要なわけですね。

これら3つの理由にちょうどバランスよく適しているのがひのきだったというワケです。

硬すぎず、柔らかすぎず、軽くて丈夫! 逆に、硬すぎるのも、柔らかすぎるのも、重くて壊れやすいのもNGです!一つ一つの理由を聞けば、確かに納得。


まとめ

何事もそれが選ばれるには理由があったんですね。そして、逆に見れば、選ばれない理由もわかる、というワケです。

みなさんも自分の身の回りで困っていること上手くいっていないことがあったら、その理由を探ってみるといいかもしれないですね。理由がわかれば、選択基準が明確になり、より最適な選択肢が見えてくるかもしれませんよ。

今日もありがとうございました。
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