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私の旅行記 元町 トアロード中央商店街 その3 CROSS 神戸 当たり前過ぎて意識しなくなっていること

 三宮センター街から元町商店街への裏道散策、いい時間とお酒で仕上げた帰り路、

素敵な出会い

というお話し。

経緯

 戯れに路地の居酒屋さんからそのまま神戸元町商店街の線路側の裏道を行くと、今どきの珍しい店内丸見えのしかも交差点の角の店舗。その街路に接する2面共に総ガラス張り店舗デザインとメインのショーウインドーに飾ってあるCROSSの上品なのに鮮やかでしかも薄っぺらくない深みのあるワインカラーに目を奪われ…

In Love at first sight

  (一目惚れ、頭にfall-in-loveを想起させるinを付けて遊んでみました…如何、inを付けると紋切り型な感じから一歩抜け出る感じしませんか…)

 ここは神戸元町のしかも裏通り。店構えも中にチラッリと見えるスタッフさんの上品さもまた半端なく、私のドレスコードがちと…問題。“冬寒の居酒屋さんからの帰り路なのでAdidasのウインドブレーカーに中はポロシャツ、カーキ色の短パン、スニーカーというCalifornian(カリフォルニアン)ビジネスカジュアルスタイル。カリフォルニアで現地に馴染むため取り入れ、カジュアルとハイソ両建てだったのを、叶えたい夢を叶え、サラリーマンを成れの果てにもなることができ、その卒業を機に心を開放する目的でハイソを封印していたのでした。しかしガッツで入店。(笑)

 ドアを閉めると一瞬にして街の喧騒(けんそう)からは無縁になり、デッドな世界。正に神戸の”ハイソ“な感じが漂う時空へと迷い込んだのでした。その心地よさで

覚醒。

 その瞬間にハイソスタイルも復活させようと思ったのでした。 その後、ボタンダウンのワイシャツ10枚程度に濃いグレーのスラックス数本を大人買いしたのは言うまでもありません。(笑)

 その辺りまではこちらをお楽しみ下さい。

 ということで…今回はその続編。
(取り方によっては人によって鼻につくかとも考えましたが、敢えてカジュアルからの切り替えの瞬間の描写なのでそのまま、ファクトを綴りますね。)

 店舗に入った瞬間に私の心のモードが切り替わったのでした。お店の方とも妙に波長が合い、ドレスコードも気にせず会話を楽しみだしました。

 先ずは吾妹にと目に止まったCROSSのボールペン。吾妹を対応した女性店員さんがまた落ち着いていて、ペン1本を売るのも丁寧そのもので流石神戸という感じ。そのデザイン、書き心地を堪能。そして色々なペンを比較しだしました。私の様に運と勘で1番高いのをオプション全て付けて即買いすることはなく、落ち着いてじっくり吟味してショッピングを楽しむのがスタイル。その姿がまたLovely。
(異なる個性の夫婦って素敵…と自画自賛)

 その間に私は店内を楽しみだしました。

店内でのお喋りはこんな感じ…

 そもそも私が米国のブランドであるCROSSのむにゅって捻(ねじ)って使う感覚が大好き。

 米国駐在時に積極的にBuyAmericanを実践していました。丁度LEXUSが初めて北米で発売され定着し始め、日米半導体摩擦も激しかった時期とも重なり、現地に馴染もうとしていた。

 当時勤めていた鉄鋼会社が経営不振になっていた米国の大手の鉄鋼会社をテコ入れしその会社は見事復活。その会社の大顧客の1つはFORDさんだったとか、日本車バッシングで日本車を破壊するヒステリックな暴動の映像に衝撃を受けた。

 そこでそのFORD社製品アメリカの最高級車、GMのCadillac Broughamと双璧のFORDのLincoln Towncar、高級ハイソスポーツカーたるFORDのThunderbird SuperCoupeを買った。

 アメリカ人は車を日常使いする事もあり基本的に皆車好き。なので大いに珍しがられると同時に上手く現地に溶け込めた。見知らぬ年配の方にもNICE-Choiceといじって貰えて、良く会話する切っ掛けになった。

 その延長での高級米国製筆記具ブランドのCROSSも。多分10本以上コレクションしていて、しかもサラリーマン時代は背広毎にデザインを合わせて日常使いしていた何て話へと… 

 するとそもそも店名のCROSSは、高級米国製筆記具ブランドのCROSSとは…

(CROSS社さんは、1846年に英国・バーミンガムでペンシルを製造していたリチャード・クロスの長男、アロンゾ・タウンゼント・クロスにより創業開始。米国ロードアイランド州において、装飾を施した金銀のペンシル用ホルダーを作っていたところから今日に至るそうです。)

無関係なんだそうです。

驚き。

メインのショーウインドーのど真ん中に飾ってあったのに意外。

メインのショーウインドーの中に鎮座
そもそもメインのショーウインドーが
最も目立っている

 名前の由来は交差点の角に店舗を構えているからなんだそうです。

 そもそもこの地で靴のオーダー店を創業してから70年を越えるトアロードでも古参店舗さんなんだそうです。
 靴の専門店から現在ではおしゃれな身の回り品をトータルで揃えていて、正に落ち着いた雰囲気の中で品選びをしていただけます…というのがウリ。主な取り扱いブランドは、VEGRIÉ 、CROSS、SHEAFFER、TRION、FLEX&GOということでした。

 落ち着いた感じのオーナーの男性。入口から最も奥で、ショーウインドーからも最も遠い場所に飾ってあった英国の建物の版画が目に止まりその方に所望したいと言ったら大層喜んで下さり、御本人が英国に行った時に気に入って仕入れた物をとの説明を下さいました。
 売れなくても自分が大いに気に入って居るので手元に置いてあるだけで毎日が楽しいとのことでした。ならば所望するのは遠慮しましょうと言うと、いえいえぜひお持ち頂いて楽しんで下さいと。時代がついているので値引きしますねと言われましたが、丁重にご遠慮しました。時代と店主さんの思いに敬意を表しそのままの価格で手に入れたかったのです。

 そこからが凄いことに。階段を登って2階の大きなカウンタに持っていって、2階のまたエッジの効いた展示品をまるで博物館の展示を楽しむかの様にゆっくりと鑑賞させて頂きました。その間に、店の奥から取り出してきた梱包材料を使って丁寧な3重梱包を施して頂きました。

 実はそれもあって、それを開梱するのが勿体なく今でもまだその絵は飾っていないのです。

 その間に吾妹は、試し書きなどを繰り返し結局最初に目に止まってワインカラーのボールペンを選んでいました。そしてしばし店内を回遊してお支払。店舗の格に見合ったプレミアムなカードでお支払いを済ませ、和やかなうちにも背中から御礼の言葉をかけられつつ素敵な気持ちで帰路に着いたのでした。そう引き返した場所も通り越して…

 その時の気持ちが今も保たれ、若い頃からのスタンスとの整合性を保ちつつのハイソとカジュアルを靭(しな)やかに使い分けての人生を楽しんでいます。

つづく


 

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