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協働的な学びって?

仲間と一緒に前進することを体験させるのが協働的な学びです。
自分で前進できるときでも、敢えて仲間と一緒に取り組むことを選ぶ。
自力で全部しないのが協働です。

自分でやる方が楽なこともあります。
自分のアイデア100%でやり遂げれば、自分の手柄です。
自分の興味や嗜好で前進するのは楽しいです。

学校では班やグループ、チームをつくりますが、協働しないこともしばしばあります。
リーダーが率いる。リーダーについて行く。
リーダーを選んで、リーダーが決断してメンバーを引っ張るのは協働ではありません。メンバーがエネルギーを提供している場合でも、決定や判断がリーダー任せでは、協働とは言えません。
グループ内で係分担や役割分担をして、各自が役割だけを果たそうとするのも、協働ではありません。リーダーというのも役割の一つだとすると同じです。割り当てられた役割だけを果たして、他の役割について何も関わらないなら、協働ではない。一緒に取り組むのが協働です。

協働は面倒、一人はラク。

意見に耳を傾けるより独断の方がラク。
自力でやるより力のあるリーダーに任せる方がラク。
お互いに口出しをしない方が気まずくならない。
問題が起こっても、自分はリーダーじゃないと言える。
問題が起こっても、自分は担当じゃないと言える。

協働するにはどうすればいい?
他者と協働するってどういうこと?

人それぞれ、人は多様。
他者の意見を聴いてみよう。

自分以外の人にもわかるように自分の考えを説明する。
自力で全部やる場合は説明不要だ。
協働するなら説明しなきゃいけない。

理由と根拠を言うのが説明のキホン。
そう思う理由は何?
そっちを選ぶのはどうして?

好きだから、好みだから。
これは根拠ではない。さらに、好きな理由を言わなければいけない。どこが好きなのか。どの点に惹かれたのか。どこを評価しているのか。メリットは何か。
相手にわかる理由を示すのは難しい。

みんなで理由を説明することが協働のキホン。
みんなが説明するから比較できる。
人それぞれ異なる理由や意見、考えを持っている。もちろん、理由なき選択をしていることもある。それぞれが考えていることを表明して、共有すると、何かに気付ける。
気づきを得るために比較する、この活動が協働だ。
他者の意見を聴いて、自分の意見を言う。
聴いたから言えるんだ。

意見交換だけじゃない。

理由なき選択をやめる。自分一人だと、深く考えずに自ずと選択してしまうことがある。熟考せずに決めている。
協働するなら熟考できる。一つひとつ検討して前進できる。
闇雲に前進しないのが協働だ。
議論や検討を経て決定する。そして共有する目標を定める。

考えずに前進することをやめる。
力を合わせれば幾通りも検討や試行ができる。一人で取り組むより多くの検討が可能だ。協働して絵を描くなら、画材も道具も配色も、協議して最適や最善を選ぼう。誰かのフィーリングで決めたりしない。それを選んだ理由を共有して前進する。

対立を乗り越えるためのに必要なのは、評価軸。

意見の相違はあるだろう。それでも前進するには対立を乗り越えなければならない。決断して選択しなければ前進できない。決断するには評価をすればいい。

良い悪いを分ける軸をつくる。判断基準は何?
部屋が汚いかどうかを判断する基準は何?
自転車置き場の自転車の止め方、似合う色、食べやすさ
良い悪いを判断する基準を共有して、対象をみんなで評価する。採点や計測をする。そうすれば評価で判断できる。
声の大きい主張の強さや個人の熱量で判断せず、客観基準を使って判断するのが協働による決定だ。

よりよく目的を達成する可能性が高い選択肢を選ぼう。

協働に向かないものもある。協働は多様性を認めて、互いを尊重するが、優れたものをいつでも生み出すとは言えない。個人で取り組んだ方が個性を活かせて高い評価を得るものもある。典型例は芸術作品ではないだろうか。話し合いや理屈抜きに感性を発揮して創作した方がいい場合もある。

協働的な学びには、助け合って高めるという前提がある。
多様な他者と力を合わせる活動が協働だ。異なる他者を理解して、自分の評価軸を手放して、共有を積み重ねて前進するのが協働だ。

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