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大学生の春休みなんてこんなもん

大学生にとって「春休み」というのは一番長い休みだ。始まる前は、〆切ギリギリのレポート達を一気におわらせテストを受け、ワクワクしながら「春休み」のスタートを切る。もう、この時の私なんてリュックを両手で握りながら背負って歩くレベルでルンルンなのだ。これも今年で3回目である。早いことに。同い年の大学3年の方はおそらく一度は呟いたであろう。「え、もう次4年?」というセリフ。いつも通り同じ帰り道の友達とたわいもない話をしながら、春休みだねーと話しながら帰宅する。

「私絶対、5月までに就活おわらせるから!」
「早く推薦だのなんだので決めたいわ、インターンどする?いった?」
「え、ここの採用試験内容ってさー、」

3人:『....って3人同時にしゃべるな!!笑』

同時に3人喋り出して収集がつなかない。どうやらそろそろ就活しないとやばいなという一定認識が私達にあるらしいということを確認して友達と別れ帰宅する。


春休みというと、実は始まるとどうも暇だなーと思ってしまう。この暇が幸せなんだけど、ちょっと時間がありすぎるな~と思ってしまう。一人暮らしだからか、考える時間が多くなり、少し気持ちが春に呑まれそうになる。でも、今年はそんなことはない。ほぼ毎日教習所にいっているのでかなりの頻度で外出してるからだ。割と忙しいのだ。しかも、なぜか今年は就活生のくせに3月に過去1予定が入ってしまった。(は?)色んなところで話がうまく進み、予定のパズルがすっぽりとハマってしまったのだ。(どうするのよ、就活生)

春休みに入って、Netflixを相棒として生活している。最近は womanをみて、小栗旬が出てくるたびに泣き、母親と娘という関係性の強さに泣き、、坂元ワールドにのめり込んだり、TVerで配信されているブザービートをみて、心の中で何かが高鳴ったり、ギルモアガールを見ながら朝ごはんにチーズトーストを食べたり、ドライヤーをしながら本を読んだり、本を読んで寝落ちしたり、窓辺に丸椅子を持って行って外の空気を吸いながら春のプレイリストを作ったりした。


春が明けたら、採用試験が始まって私は伊坂幸太郎でいう社会という「砂漠」に立つわけだけど、
そんな場所で雪を降らすことはできるだろうか。

朝井リョウの「何者」をこの時のために映画も見ず本も読まず残しておいた中学生の頃から早8年とかそのくらいだ。

本当の「がんばる」は、インターネットやSNS上のどこにも転がっていない。すぐに止まってしまう各駅停車の中で、寒すぎる二月の強すぎる暖房の中で、ぽろんと転がり落ちるものだ。

「何者」

春休みでもInstagramのストーリーは輪っかを作っていく。勿論私も。いつもと違う並びに連なっている輪っかを見て、自分の勘の良さが働く。
知らぬ間に仲良くなって飲み会が開催されている。別に誘われたかったわけじゃないけれど、学部飲みと名が出された一部中心人物達の飲み会にため息をつく。ここに誘われたという満足感だけなんだけど、欲しいのは。そして、同時に良くない方に思考が傾く。こういう人は、就活とかもなんとなくうまく行っちゃうんだろうな。「何者」でいう光太郎みたいな羨ましい人。

でも、「何者」を読んでSNSで見てるものが彼らの全てだと思うのはあまりにも単純な考え方で薄っぺらい思考だと改めて思い知らされた。結局、人の本音はSNSには出ないのだから。この、変わっていくうまくいく他人と変わらない自分への焦燥感が全て書かれていて、中学生の私だったらここまでは理解できなかっただろうなと思い、この日のために取っておいた自分に感謝した。

そんなことを思いながら、自分が作った春のプレイリストを聞きながら今日も瞼を閉じる。

おやすみ。


moka!!


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