【現場で感じたフィンランド教育】雨の日も雪の日も
雨の日の休み時間にしていた遊びと言えば、何を思い浮かべるだろうか。
お絵描き、読書、あやとり。
体育館でボール遊びもしてたかな。
あとは、友達としゃべって過ごしたり…
と、こんな感じで室内で過ごすことが多かっただろう。
日本で小学校教員をしていた時も、
雨の日は外遊び禁止!
教室か、図書館、体育館でおとなしく過ごしましょう。
と、口酸っぱく言っていた。
梅雨の季節は大変で、体力が有り余っている児童のために、授業時間を遊びに変更したり、お楽しみ会に変更してクッキングをしたりしていた。(特別支援学級だったからできたこと)
日本の保育園も同じだ。雨の日は室内で遊ばせる。雨が続くときは、棚を動かして、マットを敷いて、室内サーキットを作って遊ばせていた。
雨が降っているときは外で遊ばない。
これが日本の当たり前。
フィンランドの当たり前は少し違う。
雨の日も。雪の日も。どんな日でも外で遊ぶ。
フィンランドの保育園に潜入して一番初めに驚いたことがこれだった。
「え。めっちゃ雨降ってるけど。外行くの?」
フィンランドの秋は雨の季節。気温が10℃以下に加え,日本と同じぐらい強い雨が降る。
それでも外遊びの時間になると外に出る。
フィンランドの秋は氷点下。
と言うこともあり園児たちは、
普通の長袖長ズボンの上からまず初めに、haalari(ハーラリ)と言う上下がつながっているつなぎの服を着る。
その上から、kulahousut(クラホウスット)と呼ばれるレインズボンを履き、そしてsadetakki(サデタッキ)と言うレインジャケットを羽織る。
その後、長靴を履き、手には普通の手袋、そしてkurahanskat(クラハンスカット)と呼ばれる雨用の手袋をする。
そしてまだある、フィンランドの保育園では園児が外に出るときは必ず、liivi(リービ)と呼ばれる蛍光色のベストを着る決まりがある。そのliivi(リービ)には保育園の名前と電話番号が書いてあり、はぐれてしまってもわかるシステムになっている。
そして、liivi(リービ)を着た後は仕上げにニットの帽子をかぶって、sadetakki(サデタッキ)の帽子をその上から被ると、
防水対策ばっちりの外遊び用コーデの完成となる。
長々と書いたが、イメージのつかない方はぜひ調べてみてほしい。フィンランドを感じられるかも。
着替えるときに間違ってはいけないのが順番だ。
レインズボンとレインジャケットの順番を間違えるともう大変。
レインズボンにはサスペンダーが付いているものが多いため、間違うともう一度レインジャケットを脱いで履きなおさなければいけない。
ちなみに私はこの工程がなかなか覚えられず、
「はい。次これきてー…あ,これは最後でした」
と園児を混乱させていた。申し訳ない。
このとてつもなく長い工程を園児たちは覚え、一人で準備をしていた。
多少先生も手伝っていたが、手伝うのは2歳以下の乳児だけで、4・5歳ともなれば一人でこの工程をこなしてくる。
さすが。毎日のことだもんな。と関心していた。
こんな感じで完全防水、防寒をして外にくり出すわけだが。
園児たちはそれはそれは、楽しそうに水遊びや泥遊びをする。
いつもの砂場に水があるだけで、
定番の川を作ったり、水を溜めておままごとをしたり、泥を滑り台にかけて滑ってきれいに落としたり…?と遊びの幅が広がっているのが見ていてわかる。
私も小さい時にもっと水や泥で遊びたかった…
雪の日も同じだ。
フィンランド人の夫曰く、
小学校、中学校の時は、外がマイナス20℃でも、雪が降っていても、地面が凍っていても、休み時間は外で過ごしていた。
らしい。
家の前に小学校があるのだが、雨の日も、雪の日も、外であそんでいる児童を見かける。
それはそれは楽しそうに。
服が汚れるのが心配?
雨で濡れている遊具は危険?
私も初めはそう思った。
そもそも服が汚れることはないのだが、たまに服を着る順番を間違えていて、普段着まで泥が浸透していくことがある。
「その時は、自分の着替えが間違っていたから、気持ちの悪い思いをする。でも、そのあとは間違えないように工夫をする」と先生。
雨で濡れいている遊具が危険なことについては、
「手袋に滑り止めが付いているから大丈夫よ」とのこと。
実際、フィンランドの保育園児も日本と同じく、アクロバットな遊具遊びを披露してくれるのだが、滑ることも落ちることもなく、上手に遊んでいる。
そんなものか。
経験させて、失敗させてみて、そこから学ばせる。
全部自己責任。
そんな言葉が浮かんだ、雨の日のお外遊び。
みなさんはどう思いますか?
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