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"お金を稼ぐために仕事をする"のは、悪か? 〜 外発的動機と内発的動機について考える 〜

突然ですが、皆さんはどのようなことを目的、またはモチベーションとして仕事をしていますか?

  • お金を稼ぐ為

  • 昇進や年収といった社会的な評価を上げる為

  • 自分の実現したい社会を創出する為

どれも立派な目的であり、仕事をする為には必要な動機でしょう。

その中で、仕事をする動機は、大きく分けて"外発的動機"と"内発的動機"の2つがあり、今回の記事では、これら2つの動機の特徴を紹介します。

ぜひ皆さんが、"外発的動機"と"内発的動機"のどちらで仕事をしているかを考えていただけますと幸いです。

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⚫︎"外発的動機"と"内発的動機"の意味

"外発的動機"と"内発的動機"の意味の違いを簡単に説明すると以下の通りです。

外発的動機:自分の外側から誘い出される意欲
内発的動機:自分の内側から生み出される意欲

例えば、一番初めに紹介した例でいうと、「お金を稼ぐ為」というのは、"外発的動機"になり、「自分の実現したい社会を創出する為」というのは、"内発的動機"になるでしょう。

もちろん、"外発的動機"と"内発的動機"のどちらが正解で、どちらが悪いかなんてことはありません。

ただし、外発的動機と内発的動機では、大きな違いがあるので、それらの特徴について解説していきます。

⚫︎外発的動機について

外発的動機とは、先ほど紹介したように、「自分の外側から誘い出される意欲」のことです。

  • とにかくお金を稼ぎたい

  • 昇進して、家族や友人、同僚に認めてもらいたい

  • 上司から怒られないように働く

これらは全て、金銭的報酬・世間の評判・上司の圧力といった、自分の外側にある要因から誘い出されている意欲でしょう。

外発的動機は、「報酬(お金)がもらえる」「罰を受けたくない」といったように、行動する理由がシンプルかつ明確なため、ほどんどの人に有効です。

極端な話、アウシュヴィッツに収容されたユダヤ人が、-20度の極寒の地で、腐りかけの食材で作られたスープしか与えられないといった過酷な環境でも長時間労働ができたのは、「ドイツ人に逆らったら、命を奪われる」というシンプルでかつ明確な外発的動機があったからでしょう。

アウシュビッツ強制収容所で働いていたユダヤ人

つまり、何か行動を起こすのに、外発的動機は効果的ということです。

しかし、外発的動機の最も大きなデメリットは、"慣れると、より強い刺激を求める"ということです。

タバコを吸っている人も、初めは「1日1本だけ」と思っていても、徐々に慣れ、3本、5本、10本とより強い刺激を求めるようになります。
つまり、人は刺激に慣れると、より強い刺激を求める、言い換えると、同じ刺激では満足しなくなるということです。

そのため、昇給やボーナスをモチベーションにしている人は、"会社の売り上げが下がったから、今回はボーナスなし"ということが起きれば、仕事を頑張る意味を失い、それだけで退職を考えるでしょう。

つまり、外発的動機は働くきっかけとしては十分ですが、仕事を継続する動機としては不十分で、お金や会社、上司といった要因に常に支配されているのです。

⚫︎内発的動機について

内発的動機も、先ほど紹介したように、「自分の内側から生み出される意欲」のことを指します。

  • 自分のスキルをもっと高めたい

  • 平和な世界を実現したい

  • 新しいことに、もっと挑戦したい

これらは全て、自己成長・使命感・好奇心といった、自分の内側から生まれている意欲でしょう。

ただ、内発的動機は、外発的動機のように「報酬」や「罰」といったシンプルで分かりやすい理由はなく、本やネットを見ても答えは載っていません。
さらに、「もっと成長したい」という内発的動機を持っていたとしても、それを本気で実行したいという意欲がなければ意味がありません

例えば、私は外国人観光客が日本語がわからなくて困っている姿を見ると、いつも「英語が話せるようになりたい!」と思いますが、本気で「英語を話したい」と思えていないため、行動できていません。

内発的動機は、外発的動機と比べると、行動を起こすきっかけとしては弱いです。
しかし、「もっと成長したい!」という高い意欲を持ち続けている限りは、お金や会社、上司といった外的要因に作用されにくく、常に自分の内側からモチベーションが生まれるため、成長できます。

つまり、中長期に仕事や行動を継続していく上では、内発的動機が重要になってくるでしょう。

⚫︎まとめ

外発的動機は、「報酬」と「罰」といった、行動のきっかけとなるシンプルでわかりやすい動機があるため、短期的な目標であれば大きな原動力になります。
しかし、長期的に見ると、常に誰かが強い刺激を与え続けないといけないので、報酬(特にお金や他者からの承認)がなくなった途端、モチベーションもなくなり行動しなくなります。

一方、内発的動機は、自分が"本気でやりたい"と高い意欲が持って取り組めること見つけるのに時間はかかりますが、一度それを見つけると、外的要因にとらわれず、自分の内側から常にモチベーションが湧いてくるので、中長期的に継続するには非常に効果的です。

どちらが良くて、どちらが悪いということではありません。

大事なのは、外発的動機と内発的動機を組み合わせて仕事に取り組むことでしょう。
つまり、はじめはお金を稼ぐことを目的に始めた仕事でも、仕事をやっていくうちに、やりがいや面白さを見つけていけばいいのです。

皆さんも、外発的動機と内発的動機をうまく組み合わせて、仕事のモチベーションを高めていきましょう。

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