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ー 泰哲さん（以下ヒロ）は海外留学もされていたそうですが、経緯をおしえてください
ヒロ：元々、中学校を卒業したらすぐに「手に職を付けたい」と思っていたのですが、親からも説得されとりあえず高校に進学しました。高校卒業の際の進路相談で、先生からいろいろと仕事の提案を受けたのですが、自分がイメージする技術職とは違うものばかりでした。でも自分でもよくよく考えてみると、その時の僕は世の中に存在する職種についてほとんど知識がなく、「それで一生の仕事を今決めろと言われても無理だな」と思ったことを覚えています。であれば目標を変えようと思い、洋画や洋楽、海外のファッションなどにも興味があったので、ある意味「『英語を話せる』ようになることは『手に職を付ける』ことと同じ」だなと思ったので、兄が先に留学していたこともあって、ハワイにある大学へ進学しました。でも、英語が全くわからず中退して、札幌に戻って英語の勉強をやり直して、2年後にアメリカのペンシルベニアにある大学へ入学しました。

ー アメリカでの大学生活はいかがでしたか
ヒロ：最初のハワイ留学で失敗したので、ペンシルベニアに行ってからは、「学校に通いに来てるんじゃない。手に職をつけるために来てるんだ」と自分に言い聞かせて過ごしていました。最初は「卒業後は英語ができる美容師になろう」と思っていたのですが、在学中に英語以外にも、自分の好きなことや興味のある事を専攻しないと、卒業はもとより英語自体も上達しないかと思い、祖母と一緒に過ごした経験から、物作りに興味があって、料理が好き、それで誰かが「幸せな時間」を過ごしている姿を見ることが好きだったので、Culinary Arts(調理科）とHopspitality Management(経営学）を専攻できる大学に編入しました。ここでのカリキュラムはインターンシップがメインだったので、高級レストランやホテルで実際に働くこととなりました。働いてみると全然知らなかった世界が広がって、のめり込みました。一時帰国の際には、札幌のフレンチレストランでも働かせていただきました。大学には日本人が全然いなくて最初は寂しかったですが、おかげで日本人がいない場所でも生きていける自信がつきました(笑)

ー 失敗や困難の経験があって今がある! という感じがします
ヒロ：小学校低学年で不登校をした経験は遠い昔の幼少期の話ではあるのですが、いま思うとその頃の経験がその後の僕に大きく影響を与えていたのかなと思います。その中の一つが、「学校は嫌でも行かなくちゃいけない所」いう事でした。本当に行きたくなかったら行かなくてもどうにかなるとは今でも思うのですが、行かない選択をした場合の代償と、自分さえ我慢して行った場合の周囲の納得度を比較すると、行った方が楽だなと思いました。でも、学校に行ったおかげで、英語もできるようになり、手に職も付けられました。高校や留学時代の友人たちは、今もそしてこれからもずっと付き合いが続くだろうと思います。

ー 結婚して現在はロンドンにお住まいですが、暮らしはいかがですか
ヒロ：2019年に渡英したのですが、コロナ禍でいろいろ制限もあったので、気分的には在英歴３年目という感じです。これまでアメリカなどいろいろな場所に住みましたが、ロンドンがいちばん都会かなと思います。買い物や移動がしやすいことは嬉しいです。歴史の教科書や映画などで見た景色や、小さいころから聴いていた歌の歌詞がこの場所⁉といった発見が日常にあり、今でも感動の連続です。春っぽくなってきた今日この頃は、花粉に怯えています(苦笑)。 元々花粉症だったのですが、ロンドンの花粉は今まで経験したどこの花粉よりもパワフルな気がします。

ー ダイアンさん、道産子（日本人）におススメのイギリスをおしえてください
（以下ダイアン)：週末の朝早いカフェがおススメです。ゆったりとしてて、リラックスした時間が過ごせます。ロンドンだと、街中にある小さい公園を散歩するもの楽しいです。中心地には劇場がたくさんあるので、これにもぜひ行ってみてください。ロンドン以外だと湖水地方がおススメです。イギリスに来る人には必ずおススメしています！

ー イギリス人におススメの北海道がありましたら、おしえてください
ダイアン：場所だったら、支笏湖、紋別の流氷、富良野のラベンダー、定山渓の旅館や温泉、小樽のオルゴール堂、登別を散策するものおススメです。食べ物は、羊蹄山の近くのいももち、夕張メロンです！

ヒロ：昨年「カムイワッカの滝（知床）」に久しぶりに行ってきたのですが、改めて素晴らしいところでした！温泉も湧き出てて、道中では鮭を狩る野生の熊も目撃しました。もしバイクで北海道を廻れるようだったら、夕張の紅葉山を通って栗山町を抜けて、由仁町の馬追の丘を目指すというコースがおススメです。そこで見る夕焼けで真っ赤に染まった空が、稲刈りを終えた水田に反射している景色がものすごく綺麗です！

ー 最後にPR、メッセージなどありましたら、お願いします！ 
ヒロ：せっかくの機会なので宣伝させてください！僕がダイアンと出会ってからロンドンへ移住するまでの間、大変お世話になった場所があります。札幌市南区、芸術の森のすぐ隣にある一般の方も宿泊が出来るレコーディングスタジオ、「芸森スタジオ&Cloud Lodge」という場所です。僕はここで渡英するまでの２年ほどアルバイトをしていました。緑に囲まれた環境の中に札幌軟石を壁面に使用したとても”北海道”なレコーディングスタジオで、著名なミュージシャンの方々も常時来られます。一般の方も宿泊ができ、食事も提供される施設で、僕もここで料理をさせて頂いてました。今はテントサウナが新しく出来た様で、山の中で整う事も出来る様です。札幌に行かれる際は是非行ってみてください！