墨子クイズ➁「戦争は国を富ませるから必要悪だ!」⇒墨子はどう返した?

前回に引き続き、墨子のかっこいいセリフをクイズでご紹介。

墨子クイズ第二問目!

(ジャジャンッ!)

戦国時代の真っただ中、墨子はいつものように「侵略戦争は結局手にする利益よりも損失の方が圧倒的に多い。だから侵略戦争などやめよう(非攻)」とみんなに説いて回っていた。

すると天下の有識者はこう言った。「何を言ってるんだかwww侵略戦争をすることによって、その土地を大幅に広げ、国民を数百万増やして行った国々が歴史の中にいくつもあるではないか。だから侵略戦争は十分利益を生む、なくてはならない行為なのだよ。」

う~む…有識者の意見は、人類が歴史の中で何度も証明してきた真実である。いかに非道であろうとも、侵略戦争を仕掛けて勝利した国が多くを手にし、いかに道義的に正しくとも負けた国が泥をすすって搾取されながらみじめに生きていかなければならない…。これはどんな理想論でも覆すことのできない、事実なのでは…。

さて、この発言に対して墨子はこれまた説得力たっぷりの返しをします。何と返したでしょうか?


Thinking time!



【正解】

「確かに戦争によって広大な土地を手にし、繁栄した国も四つや五つくらいあろう。だが思い出してほしい。同じように他国に攻戦をしたがために滅びた国の数を。それは数えきれないくらいだ。

例えば医者がある薬を万人に処方したとして、4、5人には効いたがそれ以外の全員に効かなかった場合、お前はその薬は効用があるというであろうか。親を思う子供はそんな薬を親には飲ませないし、主君思いの忠臣はそんな薬を主君に飲ませないだろう。

したがって「攻戦」というのは国を富ませる方法としては間違っていることは明らかだろう!」


んぼ…んぼ…んぼ…ぼ…墨子先生ぃぃぃーーー!!!!

確かにその通りです!人はなぜか戦争の有用性を考えるとき、自分が勝っている国の側と設定してそれを肯定してしまいがちだが、そのような恣意的な視点の設定を抜きにするなら、割合的に戦争のせいで莫大な利益を失った国の方が圧倒的に多いのである。

今回も墨子先生に一本取られましたな。

そしてとどめを刺すかのように墨子は次のようにたたみかける。

「もしそれでも攻戦が利益をもたらすというのなら、次のことわざを思い出せ。「君子は水に鏡せずして、人に鏡す。水に鏡すれば顔の形を見、人に鏡すれば吉凶を知る」この言葉を心に刻むがいい。攻戦がいかに不吉で凶なものかがわかるはずだ。」

…完敗です!墨子しぇんしぇー!

※本文の表現は、参考文献からだいぶ脚色していますので悪しからず。

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