生まれたばかりの雨粒たち
その一粒は溜まりに溜まり
ついには堪えきれずに
湿った雲から溢れ出した
最初の一粒かもしれない
雨粒が僕の頬を濡らした
見上げても分からないから
手を伸ばしたら
手のひらにまた一つ
ぽたりと雨粒が落ちてきた
手のひらの上で
割れた透明な卵
あちらこちらで
産声が上がり始めた
恵みの雨
乾いたアスファルトから
立ち昇る湿って埃っぽい
匂いも今日はどこか
昔懐かしい匂い
まだ降り出したばかり
お楽しみはこれから
産声をあげた雨粒たち
胸が高鳴り緑が色づき
街を濡らして洗って
清々しい雨上がりには
青空に七色の虹が
架かるのが楽しみだ
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