見出し画像

生まれたばかりの雨粒たち

その一粒は溜まりに溜まり

ついには堪えきれずに

湿った雲から溢れ出した

最初の一粒かもしれない

雨粒が僕の頬を濡らした

見上げても分からないから

手を伸ばしたら

手のひらにまた一つ

ぽたりと雨粒が落ちてきた

手のひらの上で

割れた透明な卵

あちらこちらで

産声が上がり始めた

恵みの雨

乾いたアスファルトから

立ち昇る湿って埃っぽい

匂いも今日はどこか

昔懐かしい匂い

まだ降り出したばかり

お楽しみはこれから

産声をあげた雨粒たち

胸が高鳴り緑が色づき

街を濡らして洗って

清々しい雨上がりには

青空に七色の虹が

架かるのが楽しみだ

この記事が参加している募集

私の作品紹介

雨の日をたのしく

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?