子供のためのオルセー美術館(27)モネとルノワール・ふたりで光がはじめて描けた日
新しい絵のはじまり、1869年
「このお日さまのひかりを画用紙にかけたらなあ」
ルノワールは、なかよしのモネといっしょに
なんどもなんども外に出て
絵を描きにいきます。
ふたりはいろんなことに気がつきました。
モネは景色に光の反射を描き
ルノワールは 同じ場所で
光が当たっている人たちが
うきあがって見えるように 描くことができました。
ふたりはえのぐの色をまぜないで
画用紙に直接色をおいていきました。
ルノワールは言いました。
「もう かげを黒く描くのはやめたよ」
新しい絵の描きかたの
はじまりでした
そのころに ルノワールが
パステルでかいた絵
白い洋服のかげは
みどりと はいいろと 青ですじをつけました
そうすると
白い色がひかるのです
うしろのかべや
いすも
たくさんの色と線で描きました。
ルノワールは パステルの絵は
展覧会にも出しません
たのまれた人にだけ描いたのです
そんなルノワールの絵を
今は見ることができて よかったなと思いました
今から150年まえの
ルノワールとモネの おはなしでした
クロード・モネ
ラ・グルヌイエール 1869
メトロポリタン美術館
オーギュスト・ルノワール
ラ・グルヌイエール 1869
Nationalmuseum, ストックホルム
AUGUSTE RENOIR 1841-1919
Portrait de jeune fille brune, assise, les mains croisées 1879
Pastel sur papier
オーギュスト・ルノワール
若いブルネットの少女の肖像 1879
お読みいただきありがとうございました。
光を描けた日のモネとルノワールのふたりの喜びはどんなだったでしょう。
印象派全盛期のルノワールはダンスホールの絵など意欲的に光を描いていきますが、戦争の時代もあって1870年末以降は印象派から遠ざかりサロンへの方向をめざすようになります。
画用紙の上の白色は難しいと思っていましたが、ルノワールのように、白い色が光るような描き方のまねをしたら描けるかも?!ご一緒に試してみませんか。
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