ドラクロワが　展覧会てんらんかいの下絵したえを描かきました。
さあ、なんの絵えかわかりますか？

ちょっと近ちかづいて見みてみましょう。

これは絵えの真まん中なか
あばれて飛とび上あがる馬うまが見みえるかな？

これは絵えの左側ひだりがわ
大おおきな口くちを開あけたライオンと戦たたかう人ひとたち　

これは絵えの右側みぎがわ
かみついてツメをたてるライオン

赤あかと青あおと黄色きいろが　ぐるぐるぐるぐる

ドラクロワは　すごく早はやい筆ふでで　この下絵したえを勢いきおいよく描かきました。

完成かんせいした本当ほんとうの絵えは　その後ご火事かじで焼やけてしまって　
もう見みることができなくなりました。残念ざんねん！　

でも　後のちに有名ゆうめいになる若わかきルドンが　火事かじになる前まえに　その絵えを美術館びじゅつかんで描かきうつしていたのです。

ドラクロワの下絵したえとくらべてみましょう。
ライオンや馬うまが見みえてきた！

ドラクロワは動物どうぶつを描かくのが好すきでした。

動物園どうぶつえんに　何度なんども行いってライオンやヒョウを描かきました。

そして　ルドンのように
美術館びじゅつかんに行いって　大好だいすきなルーベンスの絵えを何度なんども見みて　描かきうつして

ドラクロワならではの　ライオン狩がりの絵えを描かくことができました。

動物園どうぶつえんで好すきな動物を見て描かいたり　気きにいった絵えをまねして描かくのは
みんなも楽たのしいですよね。

Eugène Delacroix
Saint-Maurice 1798 - Paris 1863
Chasse aux lions (esquisse)　1854
ウジェーヌ・ドラクロワ
ライオン狩り　下絵スケッチ　1854

Odilon Redon,
Copie d'après La Chasse aux lions de Delacroix 1855
オディロン・ルドン
ドラクロワ作「ライオン狩り」からの模写
© Musée des Beaux-Arts, ville de Bordeaux, Photo : F. Deval

Eugène Delacroix
Le Puma, dit aussi Lionne guettant une proie 1859
ウジェーヌ・ドラクロワ
ピューマ、またの名を獲物を狙う雌ライオン　Chasse au tigre 1854
ウジェーヌ・ドラクロワ
ライオン狩り1854

ルーベンス
ライオン狩り　1621
アルテ・ピナコテーク所蔵

お読みいただきありがとうございました。
ドラクロワの下絵は、ルーベンスの影響が色濃く、デッサンよりも色彩によってそのライオン狩りの戦いの様子が表現されています。本絵は残念ながら焼失してしまいましたが、この下絵は強烈な色彩と早い筆致で、ドラクロワの作品にかける激しい情熱を感じることができます。
当時批評家たちからは痛烈な批判を浴びますが、ボードレールは「これほど美しく、これほど強烈な色彩が、眼を通して魂を貫いたことはない」と絶賛しました。

何が描いてあるのかな？と、お子様と想像しながら、次代をになう才能あるルドンの絵で答え合わせをしてみてください。