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書籍#02.『ベルリンは晴れているか』深緑野分(著)〜読み応え抜群の歴史ミステリー〜

空港でチェックインを済ませた後の恒例行事が、本屋さんに行くことです。まずは軽く全体を歩き回り、そこから気になったコーナーでほしい本を探します。

その日は「最近は小説を読むことが少ないなぁ」と感じていたこともあり、小説コーナーを中心にうろちょろしてました。

そこで見つけたのが『ベルリンは晴れているか』

『ベルリンは晴れているか』深緑野分

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深緑野分さんの作品を読むのは初めてでしたが、この言葉に惹かれて購入しました。

「一気読みの傑作だ。」


とにかく面白い

第二次世界大戦直後のドイツ・ベルリンが舞台となっており、推理小説としても歴史小説としても読み応えのある、とてもおもしろい小説でした。

帯にある通り「各界から絶賛の嵐!」「大反響」があるはずです。

全く予想していなかった結末を迎えるのですが、最後まで飽きることなく、読むことができました。

まさに「一気読みの傑作」です。


海外小説を思わせるリアルな描写

何よりもすごいなと思ったのは、その詳細でリアルな歴史背景の描写です。

私は帯のデカ文字だけに目が行き、作者が誰なのかということは気にせずに読んでいたため、「これは海外小説の翻訳なんだなあ」と思っていました。当時を生きたドイツ人のおじいちゃんが原作者で、深緑さんが翻訳されたのだと。そんなことは一切書かれていないのにです。

そう思ってしまうくらい、物語の背景がとても繊細に描かれていたのです。また、海外小説独特の重厚な雰囲気も感じていたため、当時の様子を知る人でなければ、こんな文章は書けないだろうと思っていたのです。
(と言いつつ、海外小説はあまり読んだことありません。日本の小説もか)

でも、全く違ってました。

最後の主要参考文献と謝辞を読み、作者が当時のベルリン、そしてドイツの情勢を細かく取材してこの物語を作成したということが分かりました。

いやぁ、すごいなぁ。こんな本を書けるなんて、本当にすごい。


結末を見たいけど、終わってはほしくない

読み終わった後、終わったことがとてももったいない感じがしました。

終わってしまった・・・。
一気に読みすぎた? もっとじっくり読むべきだった? 
ってか、なんでもう終わっちゃったの・・・。

おもしろい本に出会った証拠です。

読み終わったのはしょうがないので、ゆっくりと本を閉じ、あらためて表紙を見つめながら、はぁ〜という深いため息とともに、余韻を楽しみました。


おすすめの小説です。


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