実家のガーデニングについて悩ましく思っている話…ガーデニングが苦手シリーズ
現在の実家の庭は、私が結婚する前から、母が狭いながらお金をかけて、彼女の“ガーデニングワールド”が広がっている。私はそれを窓越しに見るようにしている。
勿論、生で見るとキレイなのは百も承知なのだが、ハチや虫等が怖いし、何より蚊に咬まれまくるので(我が家の生贄状態)、それが何よりもイヤなのである。
また母がガーデニングは好きなのに、「ギャー!!ハチ来た!!蝶々が来た!!」と絶叫しながら撃退スプレーを振りまくっているのを見ると、余計「そこまでしてガーデニングやりたくない!!」と思ってしまう。
NHKの番組に出ていたベネシアさんは、ハチや蝶々等の役目を理解し、仲良くなりながら、ガーデニング等を楽しんでいらっしゃった。
母は「無農薬でやりたいが、一部の蝶々以外の虫云々は勘弁してほしい。」と思っているようだが、私はそれは“ほぼ無理”なんじゃないかと思っている。
「お母さんみたいな人が、そんな無農薬でガーデニングをすること自体が、そもそも難しいんじゃないの?」と言ったら、
「いいの!!」と言って、せっせと花を植えている。
今は良いが、母がいなくなったら、この庭をどうしたらいいんだろう?
以前、母にその旨を聞いてみたら、
「そんなもん、全部捨ててしまえばええねん!!」とあっさり言った。
「そんなん、ようせんわ!!」と言ったが、最近夫がもし実家に両親がいなくなった後に住むことができたなら、自分が庭の管理を引き受けると言ってくれたので、今のところその落とし所で落ち着いている。
しかし、私は蚊をはじめとした虫等は絶対イヤなので、できたら御免こうむりたい。
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実家時代のある日の昼間(午前中だったような気がする)、母がガーデニングをやっている時に、また悲鳴が聞こえた。
ガーデニング関係においては、“母が嫌なこと<私の嫌なこと”という方程式が成り立つので、だいたいロクなことがない。
言葉は悪いが、どうせ行っても助けられないのは、“ほぼ確定”である。だが、母が困っているのを無視もできない。
「お母さん、どうしたん?」と聞くと、
「モチの木(確かそうだったと思う)に虫がようけおって、ビックリしてさぁ…思わず叫んでもてん。」
「えぇーっっ!!(やっぱりロクなことない)それどーすんの?お父さん、まだまだ帰ってこーへんで。」
「そやけど、見た以上放っておく訳にもいかんやろ。…そうや!アンタ取ってよ!!ここに虫専用の割り箸あるから。」
「イヤや、絶対イヤや!!」
なんで、そうなる!!
私は母のこういう“イヤなことを娘に代わりにさせる”ところが、昔から大キライだった。脱線するが、電話の問い合わせとか、店員に聞くことなど、自分が表に立ちたくない場面で、殆ど私にやらせるのである。
「そんなん、お母さんもイヤやろけど、私だってイヤやわよ!」
「お願いやから。頼むわ…。」
いやいや、頼まれても無理なもんは無理である。
しかしこの攻防が続き、にっちもさっちもブルドック状態になったので(このネタ分かる人、どれだけいるのだろう??)やむなく、虫取りをせざるを得なくなった。
「あれよ!あれ!!」と母の指差す方向に目を向けると、黄緑色の太くて、見た目よく肥えた“ぶよぶよ”したものが結構あちこちにいた。
「ギャー!!何よあれ!!あんなん、絶対ムリなやつやん!!」と私は言ったが、状況は変わらない。
「ほないくで!」と私は声をかけて、割り箸で敵の体を掴んだ…!
“ムニュ”っとした感覚が箸を伝って腕に伝わってきた…!!
「ギャーーーーー!!」っと私が思わず叫ぶと、母も私の左腕にしがみついていたが、同じように大叫びし、少しの距離を走って逃げた。
「もうイヤ!!絶対ムリ!!!」
と言ってると、2軒先のお隣さんが「どうかされたの?」と心配そうにわざわざ見に来てくださった。
2人揃って大声で何度か叫んでいるのだから、まさか“虫ごとき”での雄叫びとは思わず、普通は泥棒などの有事かと思うであろう。…最も、私達母娘にとっては“虫≒泥棒”並みに怖くてイヤなものなのだが…。
後は母がよそ行きの声で、「すいません、お騒がせして…。実は…。」と言っていたが、私は「後は知らん!私はやるだけのことをやった!!」と思い、部屋に戻った。
その後、どうなったか、全く記憶にない。
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ある時、実家に行ったら、木が生い茂り、狭い庭ながら私には“森”にしか見えなかった。
父に「うちの庭、もう森みたいやん!ある意味こわいわ。」と言うと、
「そうやろ?お父さんも、お母さんにその件では言うてんねんけど、植木屋さん呼ぶまで待ってって言って聞かへんねん。それでなくてもお隣さんのところに木が生えていってご迷惑かけてるからな。」
確かに木がお隣さんの所へ影響が出かかっている。このままでは折角良好な関係を続けているお隣さんと揉めても困る。
「ホンマやなぁ…。どないすんねやろ?」
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すると暫く経ってから、母が「お父さんが勝手に木を切って、ブサイクにした!!」と怒りまくっていた。
なるほど、見てみると3本並んでた木の真ん中の木だけ、ちょん切られたように、短くなっている。…あれは確かお隣さんに迷惑がかかっていた木ではないかとおぼろげながら思っている。
「木はね、何でもいいから切ったら良いってもんじゃないのよ!うまく切らないと、二度と生えてこないのに!あんなことしてからに!!」
とすごい剣幕で怒っていた。
「でもお隣さんにちょっとご迷惑かける状態だったんじゃないの?」と言うと、
「いや、そんなことはない。まだ大丈夫やった!」と母は言う。
お隣さんがどう思ってらしたか、今では知る由もないが、相当迷惑になる頃にしか、言ってこないだろうし、ひょっとしたらどの段階であろうと、言いづらくて困ってらしたかもしれない。
しかし、怒りの頂点に立っている母にいくら伝えた所で、火に油をそそぐ状態になるのは必至なので、私はそれ以上何も言わなかった。
父は父で「お隣さんに迷惑かけてる。」と主張し、真っ向から反対の意見を述べている。
どっちが正しいかは私にはよく分からなかったが、とにかく関係各所と揉め事にならないようにしてほしいと思っていた。
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それから幾度か季節が過ぎ、また“森状態”の庭を見ると、以前のことがあるので、「う~ん…。」と何とも言えない気持ちになった。
母によると、庭師を呼ぶと一回につき5万円いるという。
「ごまんえん!!」と私は叫んだ。
「そうやで、アンタ。結構お金がいるんよ。だから呼ぶタイミングも大事なんよ。それやのにお父さん、勝手に木を切ってしもて!!」
とまた怒りのボルテージが上がりそうになっていた。
それからしばらくして、父が見るに見かねて5万円をポケットマネーで出して、ようやく剪定されたようである。
「お父さん、よう5万円も出したね。」
「そうでもせな、なかなか前に進まへんからなぁ。『お父さんが切った!』って随分言われるけど、お隣さんに迷惑かけられへんし、かといって庭師をなかなか呼ばへんし、どうにもならへんやん。」
「……。ホンマやなぁ。」
母には悪いが、この件は父の気持ちがよく分かる。
まだ父は植木関係に私より詳しいから良いが、私はチンプンカンプンなので、もっとややこしいことになってたかも?と思うと、ゾッとする。
庭やガーデニングはややこしい!!と更に思い込むように私はなった。
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庭を維持するのも、手間暇かかるし、お金もかかる。
それを大の不得意な私がどこまでできるのか、今では未知数である。
ガーデニングがあるから母も元気だろうし、今からどうこう言っても仕方がないが、将来的にどうしたらいいのか、夫がいてもそこまで詳しくないだろうし、本当に頭の痛い問題だと、らびっとは頭を抱えているのであった。
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