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霞ヶ関ワークライフ6

官僚の皆さんと働くようになり、早いもので4ヶ月。あらためての雑感。

4ヶ月となると、仕事の一部はほぼ独力できるようになるし、係全体の業務も広く浅くではあるけれど、だいたいわかってくる。

そして、同課の他の係が、どんな分野を所管しているのかもなんとなく見えてくる。

他の局はまったく関わりがないので、わからん。そんな感じである。

 規模感のデカさ

さきほどから述べている、係とは省庁のなかの組織図(部門)である。

◯◯省 ◯◯局 ◯◯課 ◯◯係 ☜

◯◯係とは民間企業なら、チームやタスクのようなイメージになるが、国の規模感(業務の幅)になると、実はそうではない。

   省庁      民間企業

  ◯◯省  もはや該当はないかも?   
  ◯◯局  大企業、もしくはグループ全体
  ◯◯課     中小企業
  ◯◯係       部

僕の個人的なイメージ

課=中小企業、企業まるごと入ってしまう業務範囲といっていいと思う。課レベルの予算で◯◯兆円の規模になるので、大企業といってもいいくらいだ。

なお、僕の所属では、課はだいたい約30人、係は多くて6人くらいになる。

次に係(=民間なら部)だが、同じテーマの行政ではあるけれど、同じ課内でも係は、まったく畑違いの業務をしている。
例えば、商品開発、データ分析、数理、法務、事務運用、経営管理、監査、などなど、係=部というのが理解いただけると思う。

係(=部)を数人で回しているのだから、それは残業もするだろうよ。。ましてや、国会対応がONされたら・・😇

課長さんが、役員か代表取締役レベルの権限をもっていると思うと、いやはや国の規模感はおそるべしと感じなくもない。

ちなみに、民間人なら役員クラスの人は、だいたい見た目や態度である程度わかるが、官僚の場合その辺にいそうなおじさんが課長だったり、局長級だったりするので、そこは行政の人だなぁと思う(少なくともうちの省では)


無敵な国民たち💪

※注)以下「無敵=厄介」と読み替える

無敵な国民とばかり、相対している気がする。
省庁(国)に電凸してくる人は、初めから臨戦体制になっていて、信じられないくらい横柄な態度だ。

そもそも、官僚って一般国民からの電話がバンバン入ってくる環境にいることを、多くの人は知らないのではないかと思う。

下っ端の役割として、無敵な国民たちの様々な電凸を受けてきたが、実感として9割は地方自治体に聞くべき内容。

一国民が相対するのは市町村、次は都道府県、
最後に国。

国と相対するのは、それこそ社会規範を変えるような訴訟になった等であり、一国民が関わることはほぼない。

つまり、電凸内容をよく聞くと、殆どは市町村レベルの揉め事なので、市町村もしくは都道府県にいう話なのだ。一足飛びに、国に言われてもできることはない。

これをなかなか理解してくれる人は、電凸してこない。国は助けてくれないのか!国が指導しろ!という。なんのために地方自治があるのかを考えてくださいよぉと官僚は思っている😓

まぁ・・冷静に捉えれば、学年やクラスに1人はぶっ飛んだ奴はいたものだ。
市町村フィルターと都道府県フィルターを通過し、濾過された強力な個体、
そういう人が電凸してくるとすれば、こんなものだろうと納得もする。

ときには、庁舎まで現地凸撃してくる無敵な国民の方もいる。その昔、法務省か東京法務局に刃物をもって押しかけた無敵な国民もいたそう。
(ちなみに、庁舎にきてアポなし訪問を強行しようとしても、入場口で警備員に捕まりますよ)

地方公務員なら、いろんな市民と対応するから、市民のイメージって悪くなりにくい気がするが、どうなんだろう?

官僚の場合は、無敵な国民ばかりと相対する構造上、いくら官僚たちといえど人間なわけだから、国民からの誹謗ばかり蓄積すると、それが国民のイメージになってしまうのでは?と少し懸念してしまう。

先日は、わりと長〜く傾聴して、丁寧に説明したのにもかかわらず、ラストに

「お前、呪ってやるからな!」

なんていわれると、理不尽すぎでもう笑えてくる😂。日本国民は民度が高いとかいわれてるが、本当にそうあって欲しいとつくづく思う。

情報開示請求とかいう爆撃行為💣


地方自治体や国に対する情報開示請求という制度を知ってる人は知っているだろう。
しかし、いざやる人はそうはいないだろう?・・
と思いきや、やはり無敵な国民たちが登場する。


国民)◯◯の関連情報をすべて出せ!
官僚)これです。不必要なところ、機密情報、個人情報等の部分は非開示にしてます。
国民)黒塗りになってる!やましいことがあるんだ!ギャーー!!

みたいな・・政治ネタでよくみる、あれ。

これが実は相当にしんどい。単純に探す作業が大変と言うような物理的な理由だけではない。

例えば、行政文書をただ集めるのが趣味という、およそ意味のない理由であっても、請求できてしまう。実際にはそういうわがままな無敵な国民がわりといるのだ。

たった1人のわがままのために、官僚が時間をかけて文書を探すことになる。例えば1人2時間の作業としても、官僚2時間×複数人を拘束するだけで、どれほどの行政の時間が無駄になるか、、

いくつか前の記事で、国会議員からの質問主意書というものを紹介したが、まだその方がマシだろう。そこには少なくとも意義があるから。

きっと無敵な国民は、当然の権利だ何が悪い!無駄とはなんだ!それがお前らの仕事だ!官僚の不正を監視してるんだ!!のような主張をする気がする。

歴史好きな無敵な国民から、日本がダメになったのは、お前ら官僚が暴走し、腐敗させたからだ!仕事しろ!と延々と説教されることもあるし、官僚を言い負かしたいがためにディベートを仕掛けてくるおじさんも多い。

(この電凸行為がまさに仕事を遅延させてるのですが?百歩譲って我々の仕事だとしても、他大勢の日本国民のためにはなってないよ?)

と、民間人で官僚歴の浅い僕は思ってしまう。

メディアのネガキャンのため、日本の行政は冷たいと印象を持つ人がいるかもしれないが、そんなことはない。案外優しい。そして、若い官僚たちはみんな真面目に働いている。

なお、正しい目的をもった開示請求はもちろんすべきことだと思うので、誤解なきようにお願いしたい。

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