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「父さんの想い」詩―青プラ文芸部 小さなオルゴール

古く 傷だらけで
色褪せた
小さなオルゴール

箱には手やインクの
染みが点々

家族は こんな汚い
オルゴール捨てたら?と
神の予言のような
断定さで いう

このオルゴールは
父さんが 大事にしていた物だ

出征した 満州にも
お供して
父さんのつらい心を
癒してくれた

戦闘で 友が無くなると
耳元で オルゴールをかけて
涙と一緒に
こっそりと 聞いたという

父さんの 形見として
このオルゴールと メッキのはげた
腕時計を 大切持っている

ぜんまいが 壊れかけていて
ときどき 音が不規則になる
まるで とうさんが 咳こむよう

辛いことがあると
耳元で オルゴールをきく
ガサガサと 父さんの声がして
励ましてくれる気がする

捨てられない 古びた
オルゴールの 音色は
ボクの心の 海鳴り音だ

山根あきらさんの企画に参加
させていただきました。
ちょうど 僕にはぴったりの題でした
ありがとうございます

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