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”好き“の感情は電化製品か革製品か|エッセイ

 パートナーや配偶者に対する”好き“の感情は、いつがピークだろうか。
 片想い期間? 恋人初期? あるいは婚姻関係になってから?
 

 買い物は、買うときにいちばん、その物への愛着が湧くのだという。例えば電化製品であれば、そこから機能は劣化し汚れて、テンションは下がっていくのだろう。(無論、人によるとは思うが)
 革製品は、購入当初は固く、だんだん手に馴染み風合いが出てくる。つまり経年変化を楽しみ育てていくものである。(これも人による)
 恋は前者、愛は後者、といえるかもしれない。自分のものになったら冷める、というのは恋によくあるもののようにも思える。
 では”好き“という感情はどうか? 恋でも愛でもない、強いて言えばどちらにも存在するだろう”好き“。なんなら恋でも愛でもないものにも存在する、非常に幅広い感情を示す言葉。だからこそ難しいなあと思う。

 夫も訊くと、結婚前より私のことを大事に思うけれどそれが好きかはわからない、というような返事をされた。どうも、夫の”好き“は電化製品派のようで、手に入れるまで——つまり「欲しい!」という感情が高まっているときで、他にとられるかもと不安になっているとき——がピークらしい。
 対して私はというと、断然革製品派。関係ができて安心してからようやく好きになれるタイプなので、なかなか人のことを好きにならず、時間を経て気持ちが大きくなっていく。

 性格の違いなのかなんなのか。こんなふたりでうまくやっていけるのか、感情の温度差が後々歪みを生むのではないか、と心配になったりもするけれど、今のところ仲良くやっているので問題ない。

 それにしても、感情というのは興味深い。今回テーマに挙げた”好き“については、まだまだ正体が掴めなさそうだ。取り急ぎどうしてこう違いができるのか考えてみたいと思う。安心と不安というのもキーワードな気がするけれど、難しいなあ。


 皆さんの”好き“は、電化製品派ですか? 革製品派ですか?
 よかったら教えてください。

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