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献体 ~親の死後の予定~

40代になると、親の死が見えてくる。
最近、実父が余命宣告を受けた。
ステージⅣの胃がんで、手の施しようがないらしい。

そして、母から知らされる、両親の死後の予定。
死後の予定とは、何か不穏で奇妙な言葉だが、これは子供としてしっかり聞かなくてはいけない。
なんと、父も母も、死後は献体する、というのである。

献体とは何か、ぜひこちらの記事で読んでほしいと思う。


終活をもっと身近に、もっと楽しく / 終活ガイド なる様、記事を引用させていただきました。もし何かの際はすぐに対応いたしますのでお知らせ下さい。


両親としては、
「医療にはお世話になったから、恩返しのつもり」
という心持ちらしい。
そう言われれば、子としてはそれを尊重するだけだ。


正直なところ、がん、さらにはステージⅣだと知らされればショックは大きい。

しかし、その時点から少しずつ別れの覚悟ができる。
母や妹と話して衝撃を分かち合い、夫に話すことで、冷静を取り戻すことができたことも、また事実。

今はただ、父が苦痛を感じていないことを祈るばかりだ。


少しスピリチュアルな話になってしまうけれど、私は、体は入れ物であり、死は精神の死であり、死した後は自我の全てが”無”になると思っている。

身体は火葬されれば灰になり土に戻り、地球に戻っていく。
けれどそこに心はない。

心がそこにないのであれば、自分は”無”なのである、と考える。

私の死後、”無”のためにお葬式で何十万円とか遣ってほしくはない。
献体を、とは、まだ考えづらい。
けれどとりあえず、直葬でもいいくらいだと考えている。


人の死後は誰かの記憶の中で生きる、という言葉を聞くけれど、まさにこれである。
子どもが、時々少しでも私のことを思い出してくれたら、それでいいのではないか、と思う。

ふとしたときに、私が祖父母を想うように。

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