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【エッセイ】年々わがままになる自分

最近、よく自分の中に「わがままな自分」を見る。

上手く言語化できない気がするから、誤解を招くかもしれない。

そしてここまでの自分の価値観で見て「わがまま」という言葉を使ったが、私はこれをさほど「わがままだ」とは思っていない、という前置きをした上で。

「したくないことはしない」とか「気が乗らないことは無理にやらない」とか、そう感じたことをそのまま「実行する」ようになったというか。

社会に出て、いわば社会の歯車として生きる上では、どう回避しようとしたとて、したくなくてもしなくてはいけないことや、得意じゃないけど上手く立ち回らないといけないことのような、「無理」の生じる場面がある。

その「無理」をあまりしなくなった。

しなくてもよい環境に、身を置くよう努めているというのもある。

これまで、やる理由に注目してきて、自分を納得させ動かしていたものを、やらない理由に注目し、納得して自分の意思で「動かない選択」をするようなったような感じもある。

誰でも、「自分」をひいては「自分の意思」を優先させる権利を有している

したいことを、したらいいし、したくないことはしなくていい。
もちろんそれを常に通すことは難しい。

だから、「これは自分にとってプラスなことだから」とか「それは自分のこれからに必要なものだから」とか、自分を納得させて踏ん張るわけだ。

ここ最近の私は、その踏ん張りで無理をしなくなった。

「とりあえずの無理」をせず、本当に自分に有益なのか必要なのかを考えるようになった。

特に人間関係において、いつだったか述べた気がするけれど、私はもう自分の人生において必要な出会いはしっかり果たしていると思っている。

だから、例えば「馬が合わないけれども仲良くする」とか、「好きになれそうにないけれど好きになる努力をする」とかいう無理をしなくなった。

それをしなくても、「私の人生では何も困らない」と思えるようになったからだ。

したくないことがあるなら、それをどうやって回避して違う道を選ぶか。
できないことがあるなら、それをどうやって今ある手持ちのカードで乗り切るのか。

そういうところへ、目を向けられるようになってきたようにも思う。


加えて、自分と他者の意見の違いについて。

自分と異なる意見を持つ人と関わる際、相手の意見を「尊重する」ことと「それを実行すること」はイコールにはならない。

どうしたって別な人間同士、相容れない意見はある。

それを「無理」に飲み込む必要はないと、改めて思えるようになった。

私からみて丸く見えるものでも、相手の立場で見たら視覚に見えるようなことは往々にしてある。

その、違いを否定しても何も生まれない。

そうなのか、そういうこともあるのか、そういう意見もあるのかと、「理解」するに留まるだけだ。

参考の図。笑

ありきたりな例だが、円柱は見る場所によって違う「形」に見える。
真下から見ている人には「まる」に見えるし、真横から見ている人には「しかく」に見える。

これだけを言うとめちゃくちゃ当たり前で、そりゃそう!の一言。

しかし、ここで例えば真下から見ている人が「まるに見える!」と言った際に、真横から見ている人が「しかくだよ、まるに見えるのは間違っているよ」と言い出すと揉めるのだ。

相互に相手が、「どの立場でどう見てその意見を言っているのか」の想像ができないと、一生交わることのない、理解し合えない世界が生まれる。

必要なのは、無理や我慢よりも、そういうこともあるのかもしれないという「想像力」だけだと思う。

四角に見えている人の意見を否定する必要はないし、丸く見えているものを無理に四角だと合わせる必要もない、というお話。

どちらも正しいことは明白だ。それは、事実。それでよし。

ちなみに私が「無理をするのをやめた」のは、ここで私が「まるに見える!」と言ったときに、「いやしかくだよ」と言い返してきた人がいた場合に効力を発揮する。

これまでだと、「確かに君の場所から見ると四角かもしれないが、私の場所から見ると丸なのだ」と懇切丁寧に説明をして、誰彼なく相互理解を深めようとしがちであった。

それを、やめた。
理解できない人もいるのだ、真偽はどうあれ私とは違う感覚の人もいるのだ…とそれ以上、「無理をして」歩み寄る必要はないなと思えるようになったということである。

知らんのだ。
四角に見えるというあなたの意見に補足説明をする仕事は、私の責務ではない…!!

その辺の感覚が上手く噛み合わない人が、やはり世の中結構多いんだよなあとこっそりため息をつくこともある──。


昨日までの暖かさから一転、いきなり冷えて冬を背後に感じるような一日。

こんな日はトゲトゲする気持ちを、できるだけ早くお風呂で溶かしてゆっくり休もうと思う。

今日も1日お疲れ様でした!

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