欧州の教授回診❗️

初めて学生の頃に内科研修医をした病院は、学生は研修医で、7時病院勤務開始!採血や点滴や処置用のライン確保は他の医師らが来る前に、研修医が済ませるのも仕事。その後7:30頃科のカンファレンスが病棟の医師室でサクッと行われた。教授も同じ空間にはいたが、雑多に散りばめられた椅子の一つに座り、他の医師らと同じ格好に同じ態度。ディスカッションは全ての医師らで行われた。自分の症例で言いたいことがあれば、言い加え、誰であろうと発言や質問が飛び交うサークルのような環境。8時頃には、手術が開始されたり、様々な処置や検査が開始された。

元々私が勤務していた別の病院は、8時スタートで、毎朝8時に開かれた科の合同カンファレンスで、当直医から新患や何か対応が必要だった患者の申し送りが発表されていた。科の全ての病棟の医師らが同じカンファレンス室にあつまり、当直医が把握しなければいけないことや行った対応で、日勤の医師らに伝えなければいけない重要なことのみが集約された、スピーディーなプレゼン。

その後、毎朝各病棟の教授とその日勤医者らが各々の病棟の回診をして、病棟の全ての患者の状態を把握する。カートにカルテを入れ、部屋に入る前に、その部屋に入院中の患者に関しての重要事項やプラン、状態、検査についてなどが担当医から教授に伝えられる。このプレゼンは、部屋の直ぐ外でおこなわれる。データなどを把握した教授は、「今日はどうだい?」という患者への軽い挨拶の時も有れば、教授の判断で診察をすることもある。大部屋も、多くて2、3人。病院によっては2人部屋以上の部屋がない所も多かった。3人部屋が多い病院でも、私がいた当時は、基本的には2人以上が入ることは稀だった。その後、ベッドの回転率の向上の観点から、常に3床満床が目指されたよう。トップの意向や情勢による利益の意識によって、病院や病棟は結構変わる。

毎朝教授回診が行われるのだから、重要なポイントや新しいことはもちろんそこで抑える。逆に、よほど毎日反復して言うようなことでなければ、過去の病歴や鑑別診断は触れられない。だって、もう入院翌日には病歴は病棟の全ての医師らがある程度把握しているし、検査結果が出た翌日には、教授の耳に入ってるから。

そして、毎朝の回診は、全く仰々しくなく、患者主体だ。回るのは、数名で何かあれば躊躇なく立ち去って患者対応をする。もちろん、患者対応などがあれば、最初から回診に参加せず、用事が済んでから参加するのも当たり前。毎日患者の状態を把握するために行われているのだから、参加医師への人生やその一週間のエネルギーの全てが注がれるような一大イベントではない。

日々の業務の一貫だし、ディスカッションがオープンにされるから、教授が形だけ聞き、ただ相槌を打つだけということもない。そして、研修医はお膳立ての駒ではなく、患者の医師であり、人間として対等(立場の差はあれど)で貴重なチームの一員だ。

ただの、恒例の大名行列ではない。

仮に、何か言いそびれたら、誰でも〇〇は?と聞き、その場で補足できる。研修医にとっては、一世一代の絶対に一言のミスも変な間も許されない処刑台でもない。

こんな教授回診、いや教授に頼らない病棟回診があってもいいのではないだろうか?

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