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勝てるブランドの作り方(刀 CEO 森岡毅さん/モーサテ20230901)

消費者はプロダクト選択の前にブランドを選んでいる。つまり、良いプロダクトを作るだけでは、市場では勝てないことを意味する。

だからこそ、勝てるブランドを設計する能力が必要である。それをマーケティング力と森岡さんは定義している。

個人がモノを買う時、頭の中でサイコロを振り、その確率を示す分布をポアソン分布という。

例えば、1年間でテーマパークに行く人の数は、すべての集客施設を足すと一定になる。なぜなら、人がテーマパークに行く確率はポアソン分布しているから。

次に、社会全体で見て、選ばれているものが、もっと売りやすくなる。これをガンマ分布と言う。
例えば、道に穴が出来たら、引っかかりやすくなるので、もっと穴が大きくなる。
つまり、ある事象がどんどんそれを引き寄せる効果があることをガンマ分布という。

例えば、Aというテーマパークが流行り、選ばれる確率が伸びていく勢いはガンマ分布する。

まとめると、個人ではポアソン分布、全体をみるとガンマ分布すること。この二つの現象を一つの数式に表したマーケットで選ばれる確率を決める数式をNBDモデルと言う。

そのNBDモデルの数式事態を覚える必要性はないが、大きなポイントとして、この中で唯一絶対の変数は、Mであることを覚えてほしい。

Mとは?プレファレンス(=サイコロの目/嗜好/ブランド選択の確率)を示す。

つまり、サイコロの目で勝てば、他の指標はどんどん良くなることを示唆しているため、経営者はプレファレンス向上に集中すべきだ。

理由として、市場シェアを決めるのは消費者だから、プレファレンスを獲得したら、サイコロの目を取れるため、売上が上昇する。

本当の競争は、消費者の頭の中で、競合と椅子取りゲームを行なっている感覚を持って欲しい。
消費者のサイコロ10面体の何面に自分のブランド名が書けるかで、市場の売り上げが決まっている。

次に、売上が伸びなくなる要因が何かを考えてみよう。恐らく、プレファレンスを獲得するブランドが設計出来ないという悩みを指すのではと考えられる。

狙って当たるブランドを作成するのが、マーケティング。プロマーケターは意図的に売れるブランドを設計出来る。つまり、競合に対して優位になりやすいブランドを意図的に作り出す。

そのブランドの設計図の作り方とは?
ブランド設計図は、家を建てる設計図と似ている。
家を建てる際、明確な設計図なしでは作れない。

リーダーが、作業者に対して、全てを指示するのではなく、設計図をもとに、すべての作業者が動く。

今の多くの日本企業を見ていると、その明確な設計図がない構造の会社が山ほどある。
やはり、どういうブランドを作りたいのか明確になっていて共有している会社は強い。そんな会社は、全員野球が出来ることを意味する。

Q)スタートアップ企業は、スピードが問われ、人的財源も限られているため、設計図なしで、スピードを優先しても良いと思うか?

A)組織として、早く動きたいのであれば、設計図を一刻も早く作った方が良い。スタートアップは状況がめまぐるしく変化することが多く、フレキシブルな経営方針の再考が頻繁に必要になる。その際、何の価値を作るために起業したのか、原点がブレると違う会社になってしまう。そのため、絶対に変えていけない部分を確認し、それ以外は全て変える。それは独りよがりではなく、消費者に認めてもらう価値を探す行為なのだから。

我々は物を売っているのではなく、市場に価値を届けていることを忘れないで欲しい。
What=価値とは、触れないもの。
逆に、触れるものは、すべてHow=製品となる。

例えば、トヨタが本当に売っているのは車だろうか?信頼性であると、私は考える。
信頼性でブランドが構築されていれば、車以外にも様々なことが出来る。


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