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買収成功のカギ|M&A BANK Vol.202

買収を失敗させないために一番大事なこと

島袋
今回も春日さんに来ていただいています。
今回はポート社が掲げるM&A戦略について詳しく伺いたいと思います。

と言いますのも、昨今M&A中心に株価を上げてきた会社さんが、買った会社が減損して問題になる、ということが起きていますよね。
そのあたり、春日さんはどう思います?

春日
そうですね、やはりM&Aは会社を成長させていく上で重要な戦略ですし、僕らのようなインターネットメディア事業の場合は、ある種買収対象のジャンルは非常に多いので、当然積極的に検討しています。
買収して減損してしまうのは、買収するタイミングでしっかり見極めができなかったという話になるので、そこはしっかり対策をとって進めていかなきゃいけないなと気を付けながらやっています。

島袋
その対策は、具体的にはどういうところを見るんですか?

春日
やはり事業側としてのデューデリジェンスとしては、僕らも5年もメディア運営してきているので、どうやったら業績がよくなかったか、どうやったらよかったか、いろんな成功体験・失敗体験があるわけです。
なので、それを元に調査していくというのがひとつですね。

もうひとつ、やっぱり1番大事なのは、営業収益に対しての買収価額の算定が結局肝になるんじゃないかなと思います。

島袋
と言いますと?


成長分を、盛りこまない

春日
当然、買うときは事業の成長を織り込んで買って、その後事業を成長させていくと思います。
でも、僕らは今は基本的に人を伴わずに資産を買う形をとっていて、成長シミュレーションは社内で作りますが、成長シミュレーションをベースにした買収価格の算定というのはやっていないんです。

島袋
じゃあ、けっこう堅めにやっているんですね。

春日
そういうことになりますね。
だいたい営業収益に対して2年~3年分以下でしか買収は進めていません

島袋
そうなんですね。

春日
そうなると、ある程度買えるメディアは限られてくると思います。
メディアは結局社内で伸ばすことになるので、ソフトウェアとして買う。だから、価格には成長分を盛り込めないという話です。

島袋
じゃあ売却の手法は、株式壌渡より事業譲渡の方が多いですか?

春日
そうですね、今まで株式譲渡で買収したケースはないです。
事業譲渡、またはメディアという資産をソフトウェアとして購入する形をとりました。

ある種本当に、物を買っていっている感覚です。

島袋
株式譲渡は今後検討しそうですか?

春日
もちろんこれからやっていく予定ではあって、検討しようと思っています。


上場後もやっぱり大事なのは

島袋
もうひとつ聞きたいんですが、上場したあとに株価が下がっても、そこからまた上げていくの、お得意じゃないですか。

春日
ええ!?(笑)得意かどうかはちょっと自分ではわかりませんが…
厳密に株価対策だけを目的にやっていることはそんなにないです。

僕らの場合は4年間連続で赤字だったところから今回大きく黒字を出しましたが、そうやって増収増益で成長できれば会社の期待値はどんどん上がっていくと思うので、僕らはかなり業績を出すことによって成長を証明したいという風に考えています。

島袋
しっかり利益を出していくと。

春日
そうですね。
当然会社の色によっては、上場してから赤字になってもどんどんプロダクト成長をさせていくという方針もあると思います。

でも、僕らの場合はインターネットのメディア事業会社で、上場しているインターネットの情報サイトやっている会社さんも、みんなどちらかと言うと営業利益・営業利益率をベースにしっかり実績を出していったことによって高い時価総額になってきているというのが事実だと思っているので、我々も利益をちゃんと出そうという感じですね。

島袋
「こんなにいいのに、なんでこんな株価なんだ」みたいに思うことあります?

春日
そこまでは思ってないですけど、当然時価総額はまだまだ上げていこうと思っています。
時価総額って業績に収斂されると僕は思っているので、そういう意味では業績を上げ続けていこうと思っていますね。

島袋
なるほどね。どうもありがとうございます。
今回ももうお時間になってしまいましたので、続きはまだ次回ですね。
最終回になる次回は、つい先日発表のあったある協業についてつっこませていただきたいと思いますので、どうぞお楽しみに!


出演者情報

■春日博文:ポート株式会社-代表取締役CEO
1988年埼玉県生まれ。在学中に新卒採用支援業やプロモーション支援を個人事業主として開始。2011年、大学卒業と同時にソーシャルリクルーティング(現:ポート株式会社)を創業。2018年東証マザーズ上場。人材、金融、医療領域でビジネスを展開する。
キャリア領域:キャリアパーク就活の未来
ファイナンス領域:マネットカードローンマネットFXミツカル保
メディカル領域:オンラインクリニック
リーガル領域:債務整理の森交通事故示談交渉の森
ポート、4期連続赤字から大幅な黒字転換に成功 現預金は前期末比⁺279%

■島袋直樹:IdeaLink株式会社-代表取締役
シリアルアントレプレナー。26歳でインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。2017年12月、自社メディア5媒体を上場企業に事業譲渡。「事業は創って売る」をモットーとする。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。

順次更新、春日さん出演動画の一気見はこちらから
(M&A BANK YouTubeチャンネル)

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