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精神疾患当事者が社会復帰するまでの具体的なロードマップ

精神疾患。

最終的なゴールは就職あるいは独立だと思います。

僕も精神疾患を患っていて、闘病歴20年です。

僕は社会復帰をし、そのあとフリーのカウンセラーに転向しました。

そこで、僕が社会復帰するまでにたどったロードマップを具体的に提案したいと思います。

今回の記事は安定期に入った方へ向けた記事ですので、急性期・消耗期・回復期の方は焦る気持ちはわかりますが、ゆっくり休んでください。

それでは、行ってみましょう。


社会復帰の最初は日常生活から

社会復帰。

いきなり「仕事したい」と焦る気持ちもわかります。

ですが、回復しきっていないのに仕事に焦っても、就職はできたとしてもすぐに仕事に行けなくなって自信をなくすだけです。

僕自身もそうでした。

親友にせっかく紹介してもらった大手IT企業の障害対応の仕事も、まだ僕の症状の安定の時期が来ていなかったのに就職して、半年で症状が悪化して退職してしまいました。

社会復帰へは焦らないことが大事です。

スモールステップスで一歩一歩の自信をつけていきましょう。

そこで、僕が提案したいのは日常生活を完璧にすることからスタートするということです。

日常生活から自信が生まれる

日常生活。

皆さんはきちんとこなせていますか?

規則正しい生活をして、部屋を片付けて、服を着替えて、お風呂に入って、食事をして、家事をして、運動をして。

これらがきちんとできたら、自信がつくので、次の「外出」のステップに行けます。

規則正しい生活

まずは規則正しい生活をすることから始めていきましょう。

具体的には、就寝時刻・起床時刻を一定にし、朝型の生活を送ることです。

規則正しい生活をするためには、まずは就寝時刻を一定に保つことから始めます。

なぜ、最初に就寝時刻から一定に保つのか?

それは「コントロールできるから」です。

起きる時間はコントロールできませんが、寝る時間なら自分でベッドに入ればいいだけですのでコントロールできるからです。

就寝時刻を同じにすると、自然と起きる時間も一定になってきます。

就寝時刻は21時半から22時半をおすすめしています。

それは、僕が精神科に入院していた際の消灯時間がその時間帯だったからです。

医療機関の提供する生活は医学的根拠があるので、それが正しいと言えるでしょう。

これができたら、規則正しい生活の定着は卒業です。

簡単な家事を一つずつ

規則正しい生活ができるようになったら、着替えや身支度、入浴、食事などをできるようにします。

それができたら、簡単な家事をできるようにしましょう。

僕の場合は、風呂掃除から始めて、皿洗い、掃除機がけと難易度を上げていきました。

ちなみに、僕はアスペルガー(ASD・高機能自閉症)ですので、手先が不器用なので、洗濯物関係は同居している家族に任せています。

家事ができるようになると、いつもお世話になっている家族に貢献できていると思えるようになり、引きこもっている罪悪感や、何もできていない罪悪感から解放されるようになります。

いきなり外に出なくてもいい

日常生活を始めて最初の頃は「外出」は難易度が高いと思います。

外は不安要素がいっぱいで、統合失調症でも、双極性障害でも、うつ病でも「不安」は大きなハードルだからです。

次のステップは外出

外出。

これは安定期に入っていたとしてもハードルの高いステップです。

僕も不安が強い時は社会復帰できた今でも、外に出ることができません。

外出をほぼ確実にできるステップをこれから提案していきます。

では、行ってみましょう。

最初は散歩から

外出の最初のステップは、短い距離の散歩から始めましょう。

最初は朝起きて日光を浴びるために、外に出るだけでもいいです。

そこから500メートルほど、2.、3分したら帰ってくるでもいいので、外出する習慣をつけましょう。

そして、次は10分ほどにのばします。

その次は、15分ほどをめどに散歩のコースを決めて一日一回確実に散歩できるようにしましょう。

それができるようになったら、15分の散歩を一日3回、朝昼晩とできるようになりましょう。

ただし、外出は確実にできるくらい安定している時にするようにしてください。

外出して、症状が悪化するという失敗体験をすると、次から外出が怖くなるからです。

僕も外出するかどうかは、社会復帰した今でも、慎重にしています。

散歩に飽きる時が来る

散歩を続けていると、そのうち飽きる時がきます。

調子が安定している今の僕がそうで、散歩が怖い日もあるけれど、ほぼ外出ができるようになると、「外出できた」という達成感が薄れてくるからです。

散歩に飽きたら図書館へ

散歩に飽きたら、図書館へ行ってみましょう。

ただし、電車やバスはまだハードルが高いので、自転車や徒歩で図書館に行ける方のみ、この項の提案を試してみてください。

散歩の次のステップがなぜ図書館かというと、「静かで人が少ないから」です。

僕ら精神疾患当事者は刺激に敏感なので、ステップの始め方としては、刺激の少ない図書館に行くのがいいでしょう。

これも散歩と同様で、継続してみてください。

そして、不安があるなと思う時は行かないように。

失敗体験を積んで図書館に行くのが怖くならないようにするためです。

図書館に飽きたらショッピングへ

図書館にも飽きる時がきます。

それは散歩同様、図書館に行くことに対する余裕が生まれるからです。

そうすると次は、ショッピングに行ってみましょう。

もうこの時期は電車やバスに乗っても大丈夫だと思います。

僕の場合はお気に入りの本屋へ立ち読みしに行くために、自転車で近くのショッピングモールに行っています。

そこで本屋だけでなく、お肉屋さんの安くて美味しくて大きいチキンカツを食べたり、併設のベンチでゆっくりしています。

ショッピングは人が多く刺激が多いので、外出の最終ステップと言えるでしょう。

ちなみに僕は、数ヶ月ショッピングモールに行けていませんが、そろそろ行こうと思っています。

仕事をするまで

仕事。

これが最後のステップです。

仕事を続けることが本当のゴールですが。

仕事も作業所や短時間のアルバイトなど、負荷の低いものから始めるといいでしょう。

収入が入ると精神は一気に安定します。

それは、この資本主義社会でお金はなくてはならないものだからです。

それでは、行ってみましょう。

最初は作業所で

長い期間、仕事から離れていた方は最初は作業所で仕事に体を慣れさせることがいいでしょう。

僕はB型作業所に一年通い「もう卒業かな」と思ったので自分から申し出て卒業しました。

B型作業所はいつでも休むことができ、いつでも早退することができるので、まだ仕事の負荷に耐え切る自信のない人はB型作業所に通うことをお勧めします。

短時間のアルバイトでもいい

作業所で自信がついたり、「一般就労でも大丈夫」という人は、短時間のアルバイトから始めてみましょう。

一日三時間程度がちょうどいいです。

アルバイトは時給がB型作業所の10倍以上あります。

これはものすごくモチベーションを上げてくれるものなので、やってみると感動するでしょう。

ちなみに僕はフリーのカウンセラーをしていますが、それだけで生計を立てられないので、アルバイトを体調が今より安定したら始めようと思っています。

月10万円あれば生活ができるので、最短時間のアルバイトを始めます。

アルバイトの時間を伸ばす

短時間のアルバイトに慣れてきたら、次は勤務時間を伸ばしてみましょう。
そう。

次は生計を立てられるレベルまで働くわけです。

生計を自分で立てられるようになると、自己肯定感も高まり、仕事が継続できるようになると、精神疾患はほぼ完全に良くなったと言えるでしょう。

仕事に焦らないことが大事

仕事の項の最後に「仕事に焦らないことが大事」という話をさせていただきます。

仕事。

早くしたい気持ちはわかりますが、自分の体調をよく観察してから、行動に移すか決めましょう。

慎重に仕事を始めるかを決めないと、仕事のストレスで精神疾患がまた急性期に戻りかねません。

医師や家族、サポートをしてくれる人たちとしっかり相談をし、面接の予約開始日を決めてください。

まとめ

以上が「精神疾患当事者が社会復帰するまでのロードマップ」でした。

ここまでをまとめると、

・まず日常生活をできるようになる
・次は外出する
・その次はショッピング
・その次は作業所またはアルバイト

となります。

また、それぞれに踏んで行くべきステップがありますので各項をご覧ください。

この記事の最後に

今回の記事。

いかがだったでしょうか?

精神疾患に苦しむ皆さんが、目標とする社会復帰に向けて一歩を踏み出されることを期待しています。

また、一つ注意点があります。

今回の記事では日常生活や外出、仕事など行動面に着目しましたが、日々自分の体調を良くする工夫をすること、病気について勉強することも大事です。

そこについてはまた他の機会に提案させていただきますので、よろしくお願いします。

お読みくださりありがとうございました。

この記事が皆様のお役に立つことを願っています。






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