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「葡萄が目にしみる」林真理子

林真理子さんと言えば、メディアで目にするご本人のイメージが強烈ですが、作家としての実力は当然ですが、さすがです!
この小説もすごく良かった。
地方のコンプレックスだらけの高校生の、少女特有の夢見がちなところ。
そして、現実に傷付く狭間の描写がすごくリアルで、こう言うのっていつの時代も変わらないもんなんだなぁと。
この小説は林さん自身の高校生の頃を描いた作品ではないかと言われていますが、私もそうじゃないかなぁと思いました。
作家さんって、日常のものすごく些細な出来事を掬い上げるのが、とても上手くていつも驚きます。
色んな事をメモしてたの?と思うほど、鮮明に表現していて、何なんでしょうね、それって。
自分の子供の頃の事や、十代二十代の事って、今振り返ってみると、そんなに細かく覚えてないし、実際にあった出来事ではないとしても、その時の感情をずっと忘れていないからこそ、誰もが共感する物語を描けるんでしょうね。

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