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街田侑
2024年4月14日 22:42
第165回芥川賞受賞 李琴峰『彼岸花が咲く島』 2021年といえば、コロナウイルス流行から丸一年が経過し、道行くマスクを付けた人々が自然に感じられるようになった頃合いだったように思う。繫華街の賑わいも少しずつ回復し、東京五輪も開催。学校等も登校が再スタートしていた。2021年はまさに“日常”の回復の過渡期だった。 その年の下半期芥川賞は二作同時受賞となった。芥川賞にとって、二作同時受賞はさほど珍
2024年3月6日 15:00
第167回芥川賞受賞 高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように』 2022年上半期の芥川賞を受賞した高瀬隼子氏の『おいしいごはんが食べられますように』。 2022年の夏と言えば、コロナウイルスのパンデミックが少し落ち着いてきた頃と記憶している。当作品では、コロナにまつわる「マスク」やそれによって普及した「リモートワーク」等の言葉は一切出てこない。2021年上半期に受賞した石沢麻依氏の『貝に続
2024年3月15日 23:37
第170回芥川賞受賞 九段理江『東京都同情塔』2024年上半期の芥川賞を受賞した九段理江氏の『東京都同情塔』。現在、この記事を執筆しているのが同年の3月であり、まだその発表から2か月あまりしか経っていない。2024年が始まってまだ3か月だが、数多くの事件が起きたように思う(私にとっては本作品が芥川賞を受賞したことも事件の一つである)。まずは年の初め、元日に起きた能登半島地震、そして羽田空港での航空