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「お客様視点」であることの大切さ

おはようございます。こんにちは。こんばんは。MACHICOです。
本日は久しぶりに私の心の叫び的なコラム記事を書いていきます。(最近キャバ嬢時代の記事しかかけてなかったので(;'∀')アセアセ)

私はパタンナーである。
パタンナーとは洋服の型紙を引く人。いわゆる洋服の設計士、みたいな感じです。(あ、ちなみに型紙は「書く」、でも「描く」でもなく、何故か「引く」、と言います。何故でしょうかね…)

つまり洋服という商品のイチ開発者であります。商品の開発とは0→1にする仕事。余談ですが、よく0から1を生み出すのが一番難しいんだ、1から10にするのは簡単なんだとか言いますよね。(私は決してそうは思いませんが…)
0→1にすることが難しいといわれる所以は、0→1のスパンが非常に緻密で長いからなんだと思います。
例えば、夏に最適なスカートを開発しましょう。ということになったとします。あ、ちなみにこういった場合アパレルだとマーチャンダイザー(俗にいうMD)と言われる人から案(いわゆる商品構成)が下りてきます。ほんでデザイナーがリサーチして素材決めて、デザインする。からのパタンナーにデザインが下りてきてパターン引く、パタンナーとデザイナーでトワル(型紙を実際の素材に近い布に落とし込んで、ピン打ちOR実際に縫ったもの)をチェックする、デザイナーOKだったら仕様書書いて工場様にサンプル依頼する…とざっくり言うとこんな感じ…うーん。FUKUZATSU

しかも実際はもっともっといろんな人関わってきますし、いろんな横やりが入ります。商品開発とはとってもいろんな人が介在して行われる複雑な仕事なんで一連の流れで説明しにくいんですよね…実際はMDから商品構成が出てくる前にデザイナーはすでに素材のリサーチは進めてて素材開発してるケースも多いですし。(素材開発は糸から織ったり、そもそもの糸を染めたりするところから始まるのでめっちゃ時間かかります)まぁこの辺のアパレルSPAの「川上系の仕事」の流れについては詳しく別の記事で書きますね。

とまぁ、いろいろ端折りましたが商品を開発するって、とにかく長いんです。笑
素材開発もいれると1個の商品が出来る上がるまでに1年くらい。つまり0→1にするまで1年。でも「夏」に売る商品ってせいぜい4、5月売期としたらたった2か月。1→10にしていく(つまり販売期間)ってめっちゃ短い。そんなことから0→1にしていくってのは最も時間をかけるべきところであり、故に難しいっていう意味なのかなぁって思います。はい。

「お客様視点」=お客様の意見を聞くこと?

話がだいぶそれましたが、私たちが商品を生み出す時ってはじめにこんなこと考えます。(段階で言うと0→0.05とか0.1くらいの段階です。)
・ブランドコンセプトにそった商品であること
・トレンドをとらえた商品であること
・純粋に「かわいい」と思える商品であること
そして一番大事なのが、

お客様のニーズに応えた商品であること/

これです。これが非常に難しい。なぜならお客様の意見を全部聞くなんて無理だから。顧客の意見は100歩譲って聞けても一番大事な潜在顧客(顧客になりそうでなってない人)の意見は100%拾えないし。みんなエスパーじゃないし。
10000歩譲って、たとえ意見を聞けたとして、意見が多ければ多いほど皆様好みの個人差があるわけで…たくさん集まった意見は千差万別十人十色、本当にすべての声を聞いて取り入れた場合、へなちょこな商品の出来上がりです。全員の意見を真面目に聞いた結果、全員が要らないものになってしまうのです。ということは、お客様の意見を聞きすぎるということは決して「お客様視点」ではないという事になります。
お客様の意見をしっかり取り入れた商品で売れなかったコトって過去に何度もあります。あの時はだれもが思いました。「お客様視点」で作った商品なのに、と。でも結果がついてこない。つまり、本当の意味での「お客様視点」になりきれてない…ということです。

「お客様視点」=潜在的需要を見つけること

皆さん、北風と太陽の話はご存じですか?とっても有名な話なので知っている方多いと思われますが、知らない方はぜひggってみてください。
概要だけざっと伝えると、

北風と太陽はどちらの方が偉いか喧嘩してました。(ここの設定からすでに謎ですが)→どちらが偉いか決めるために勝負をしようなりました。→そして(都合よく)旅人が登場します→そこで旅人のコートを先に脱がせた方が勝ち、偉いということになりました。→北風はビュンビュン風を吹かせる物理攻撃でコートを脱がそうとしましたが風が冷たくてさらに着こまれてしまいあえなく失敗、太陽はどんどん気温を上げて、旅人が耐え切れずにコートを脱いだ、というお話。

つまり、これをお客様に置き換えると。
お客様=旅人
北風=商品A
太陽=商品B

お客様の潜在的需要は「コートを脱ぎたい」ことだとします。ですが、コートを脱ぎたいコトにお客様は気づいていません。(なぜなら潜在的需要だからね。ちなみに潜在的需要とは…消費者自身が気づかないままになっているニーズのことです。これは供給側の働きかけによって需要が顕在化することがあります)コートを脱がせる事だけに着目した場合、力ずくで脱がせよう、物理攻撃で脱がせようとします。つまりどうやって脱がせたらよいか、脱いでもらうための仕組みをめっちゃ考えるということです。その結果、北風=商品Aの力であっち側から風を当ててみたり、こっち側から風を当ててみたり。まぁ俗にいう正攻法ってやつでしょうか。しかし結果は失敗でした。かたや太陽=商品Bは、お客様の未だ気が付かぬ需要を見抜いて「あたかもお客様自身が自主的に求めて、実行した」ことのように見せることが出来ました。故に本来の目的である「コートを脱がせる」ことに成功しているのです。
うーん…ちょっと分かりにくいかww

そしたらもう一番分かりやすく洋服に置き換えて例えますね。

あるお客様がいたとして、そのお客様は少し太っていて脚が太いコトがコンプレックスだとします。脚が太いことお悩みのお客様に向けて開発された商品は2つ。
商品A´=体系カバーできるスカンツ的なワイドパンツ
商品B´=タイトなミニスカート
さぁどちらが売れると思いますか?


応えは商品B´です。
すごく意外ですよね。

商品A´は、確かに「太いとコンプレックスをもっている脚」はすべて隠れます。ただ、隠すかわりにとてもオーバーなシルエットで逆に太って見えてしまう懸念もあります。逆に商品B´についてはどうでしょう。肌が見える範囲さえ考えてあげれば、意外とラインを拾うような形のほうが「きれいな脚」に見えたりすることもある。※個人差アリ

「脚を隠すこと」と、「脚を見せること」どちらが結果、コンプレックスの解消に繋がったか?それだけなのです。何もお客様は「脚を隠したいから、脚が見えない服を作ってくれ」と言ってるわけではない。ここで分かっているのは「脚がコンプレックス」という情報だけなのです。そこから読み解いて、商品B´のような開発が出来たら、それが真の意味でお客様のニーズに応えられた、ということだと思います。

そしてここ!ここが!パタンナーの腕の見せ所。きれいな脚に見えるような美しいラインどり、スリット位置やスリットの長さ、脚が見える範囲が最も重要なので、丈の設定もとっても大事。ここは完全にパタンナーの仕事に依るものですね(ひぃぃいいいぃぃ!!!!!震えるぅ~)。

To be continue…


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