桃子解剖

タモリ

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最近の記事

死の妄想 No.3838

 隣の住人である、ユリネが暴れているなと思った。やたらと壁や床を殴打する音が来る。しかもあいつの部屋と逆側でシャワーを浴びていたら聞こえた。  迷惑だとことさら言いたてる気すら起きず、単純に面倒臭かった。玄関のところまで歩いたりしているようだった。しかも通常ゴロゴロした物音とセットとなって音響のウワモノを飾るはずの大声なんかがまるで聞こえてこない。ということは、酒を飲んで物を壊しているわけではなく、首を絞められて死にかけているわけでもなく、なにかキメてヤって海老ってわけです

    • 死の妄想 No.44

       アパートから10分くらいの銭湯に行くと、背中に立派な赤鬼の彫り物の入ったじじいが湯船の前でぶっ倒れていた。老人特有の不安になるイビキを一応かいていて、血が出てるとかウンコを漏らしてるとか黄色い汁が出てるとかではないので洗い場の誰もが知らんふりをした。人慣れしすぎている彼らはゲボをぶっかけられたとかではなければ無いものにする。下手したらゲボを、肩口にしたたかにぶっかけられても「大丈夫ですか?」となる。人には期待をしないので、必然的に自閉的なのだ。自閉的優しさ…  風呂屋ではこ

      • 死の妄想 No.776 生きるのがつらいPornhubへ

         ソフトポルノが脳内で爆発するたびにすごい大声でマッチョになってしまった。人であることを、一瞬で忘れてしまった。  おれはいつも虐待されすぎて餌が食えない地域猫のような立派なツラをしていたが、目の下が青いのを気にしていつも潤滑アイシャドウをベタベタつけるアル中のウンコでもあった。喋りかけるな…こう言いながら土日を無意味に過ごすことがもはや耐え難いものだった。  グラシアスビーム(感謝光線)を放ちながら改札を通った。最大の体調不良を引き起こす通過駅の階段、20円ではどこにも

        • 死の妄想 No.1299

           全ては夜始まるのだ……太陽は受動を指す。夜には人間の能動(妖力による)がある(暗いために瞳孔を開き、また晴れている場合月の光を浴びる)。おれたちがいる(ある)のは、死ぬまで夜だ。おれが出来たのも夜だろう。宇宙が始まる直前は暗かったはずだ…  おれはもうこの頃はピンサロや整体や美容室もすっかりやめて、毎日妖時になるととある方法で触覚のチューニングを済ませ、「妄執機構」にとりとめもない妄想を提出する生活をしていた。提出は古い方法だから、宛名書きもアドレスの記入もいらない。チュ

        死の妄想 No.3838

          死の妄想 No.551

           虫さんたち(彼らは全員国家公務員の黄色い保険証を携帯している)が朝一番のパプパプ体操を開始する。午前5時のマーメイドが夢(俺のやつはデエビゴのせいでつまんねーやつ)見る三半規管で爆音で鳴り響いて朝からmode:ghostにさせる時間(3時?4時?)から彼らは生殖に向けてあらゆる体操と声出しを開始している。彼らは幽霊にならないから ここをいつでも離脱できる。幽霊を感じないから、脳を下腹部に据えつけることだってできる。彼らの全身が脳であると少年時代錯覚していた俺の肉体ですら脳の

          死の妄想 No.551

          不眠児から不眠青年へ

           思い通りに、しかもコテっと寝れる(中途覚醒しない)奴っていいよな  冗談じゃなしに頭がバカにできてるんだろう(嫌なニュアンスは一つも含んでいない 好意的な印象である)何も気にならず、何事も頭を悩ませず(悩みのない人間はいないのでこれはクダ巻きに過ぎない)、その日への未練すらない。いやむしろ、体が疲れた時無駄な回路を順々に遮断できる、結構ハイテクなマシンを載せている人なんだと、本当にそう思っている。  聖者の脳内はこのタイプであるに違いなく そうとなれば俺は最も遠い存在と

          不眠児から不眠青年へ

          ドカ食い気絶魔

           背格好の割に飯を食べる。  だが自分の大飯食らいには割と苦しめられ、行動を制限されてきた感すらある。飯を抜いて出た先で突然腹が減って頭が全く回らず立ち往生したり、消化が早すぎて体調が良い日など朝米を1合?前後食べても昼飯前にはもうそこそこペコいのであって、これでは生きるために食うのか食うために生きるのかよく分からない。その上、今は喫煙所以外で座っている時間がほぼないような現場仕事に従事しているため、平日は基本的に腹を空かせている。  まあ当然ではあるが ちいこいおしゃれご

          ドカ食い気絶魔

          「言語化計画」 #1 インドカレー こうた編

           「おたくは暇になったら豚の角煮(チャーシューだったか)を作る」みたいな言説をどこかで見たことがあるが、おたくではないので豚の角煮ではなく週3日ほどはインドカレーを作ることにしている。豚の角煮は、豚のブロックの脂肪分を取ったり(おいしくなくなるかららしい)、長ネギの緑の部分をわざわざだしに使ったり(しかもこれは食べないのが通例になっている。確かに筋張っていて美味しくない)、醤油なんかをドバドバ入れるものの結局半分くらいは使い回しのネタが尽きて捨てちゃうし、「なんか悪い贅沢をし

          「言語化計画」 #1 インドカレー こうた編