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社会保障に使われるお金をまるっと理解

連載第1号のコンテンツがやっと出来上がりました!
使われているお金に焦点をあてながら、社会保障に関する知識を身に付けましょう!


1.社会保障制度とは

社会保障は、病気やけが、障害、老齢などの一人では支えきれないリスクについて、社会全体で支え合いましょう!という仕組みです。
国民の安全・安心を守るために国が管理している制度ですので、その運営には私たちが納めた税金や保険料が使われています

急速な少子高齢化に伴い、この社会保障にかかるお金も急激に増えてしまっています。さらに深刻なのは、今後もさらに増えてしまうこと。このままだと、私たちの生活にも大きな影響が生じてしまいます。

今回は、いったいどれ程のお金が社会保障にかかっているのか、今後どのように増えてしまうのか、私たちの行動で減らせる部分はあるのか、などについて図解していきたいと思います。

社会保障にかかるお金のことを社会保障給付費といいます。
医療費などの自己負担分は含まれず、税金と保険料で賄われた費用の総額です。
この社会保障給付費が全体で134兆円(令和5年度予算)、その内訳などを見ていきましょう。

では、さっそく図をご覧ください。

2.増えているのは「社会保険」にかかる費用です

大部分(86%)を占めているのが社会保険にかかる費用です。
年金が60兆円、医療が42兆円、介護が14兆円と、すでに物凄い金額なのですが、これからも高齢者は確実に増えていくので、これらの費用も増えてしまいます。

社会保険は強制加入なので、お金を稼いでいるほぼすべての人が保険料を支払っています。
一人ひとりが負担している保険料も決して少ない金額ではありません。
その保険料の合計が78兆円。
それでも、足りないのです!
しかし、保険料収入が足りないからといって、年金を払わなかったり、医療や介護のサービスを止めることはできません。
だから、保険料で足りない分を、多くの税金を投入して補填している、というのが現状なのです。

3.どれくらい増えているの?

社会保障にかかるお金って、どれくらい増えているのでしょうか。

2000年度の社会保障給付費は78兆円でした。
78兆円と言えば・・そう令和5年度の社会保険料と同じ額ですね。
今から20年ちょっと前の2000年度なら、今の社会保険料だけで、税金を1円も使わずに、社会保障の全体が賄えていたことになります。

もう少し遡った1980年度の社会保障給付費は、たったの25兆円でした。
令和5年度は134兆円だから、40年ちょっとで5倍以上に膨れ上がってしまっています。
こんなペースで増えて大丈夫なの⁉

4.今後も増えてしまうの?

ちょっと待ってよ⁉
社会保障にかかるお金はさらに増えるって聞いたけど、今後はどうなっちゃうの⁉
もはや知るのが怖くなってきましたが、目をそらすわけにはいきません。
政府の見通しによると、16年後の2040年度の社会保障給付費は190兆円!

出典:2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材) -概要-
内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省 平成30年5月21日)

既にこんなに膨れ上がってしまった現在よりも、さらに1.4倍に増えてしまうというのです。
私たちが少子高齢化社会の厳しさに気付かないまま、今までと同じ行動を続けていけば、おそらく190兆円という巨大な負担がのしかかる時代を迎えてしまうでしょう。

5.私たちの行動で減らせるのでしょうか

では、私たちの行動によって、社会保障にかかるお金を減らすことはできるのでしょうか。

年金については、「老後の生活資金として払いますよ」と長年にわたって政府が約束してきたことなので、私たちがどうこうできる余地は少ないでしょう。

一方で、医療と介護については、私たちの行動によって減らしていくことができます
たとえば、医療も介護も、使おうと思えば必要以上にも使えてしまう制度なので、みんなが必要最小限の利用を心がけるだけで、かなりの費用を削減することができるでしょう。
また、医療や介護のお世話にならずに生活できるように、自分の健康に気を付けることでも、費用の増加を抑えることができます。

少子高齢化社会という厳しい時代に備えるために、私たちができることを知って、行動として実践していくことが大切だと思います。
医療や介護の費用を抑えるために必要な行動について、この連載の中で改めてきちんととりあげて、より具体的な行動例などを紹介していきたいと思います。

だいぶ長くなりましたので、連載Vol.1はこのあたりで終了です。
最後まで読んで下さってありがとうございました。

次回は、給料から天引きされる社会保険料ついて見ていきたいと思います。


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