ＥＸＯＤＵＳ
命をかけた大移動 ＥＸＯＤＵＳ
東から西へ 西へと
幾万もの人びとが
近く遠く 響く砲弾の下
逃げる にげる
考えてもみよ
７７年前の８月９日に
ソ連軍が満州国に侵攻し
われら同胞 幾百万が同じＥＸＯＤＵＳ
命からがらのＥＸＯＤＵＳ
それを経験した
われらの父母 そして今を生きるわれらにつながる
同じ血が流れる
彼ら 彼女らの大逃避行を
憐れに思い 助けの手を差し伸べる人が
この地球にあったのか
考えてもみよ
１９４５年８月後半からの
われら臣民 臣民と信じ込んだ人びとが
ＥＸＯＤＵＳ
その大逃避行を
世界の誰が 同情してくれたろうか
あなたが今
ウクライナの
アフガニスタンの
シリアの
Ｈｅｒｅ ｔｈｅｒｅ ａｎｄ ｅｖｅｒｙｗｈｒｅ
数限りないさまよう人々に
あなたが今
向けている目を
かつて われらが同胞に向けてくれたろうか
本邦の臣民を忘れた人々は その同胞を
遠く離れた大陸の
ＥＸＯＤＵＳに
どれほどの意識を払ったろうか―
われらは その子や孫なのだ
われらの祖父母 父母が
荷物を背負い 逃げてにげて にげまどい
略奪 暴行 強姦
互いに殺し合い 自決し
子供を殺し 置き去りにし…
そんな地獄があったこと
それに思いを馳せるのだ
それがひとつの 供養である
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