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つらい経験は誰かの力に

メンタルダウンした友人と話しながら、私は自分が過去落ち込んだ時のことを思い出していた。
そして後悔した。

自分が落ち込んだ時に心療内科や精神科を受診すれば良かった、と。



過去の自分のこと


落ち込み一度目は初任校。二度目は二校目。
特に二度目は今振り返れば休職してもよかったレベルだと思う。でも当時は休職も、受診もしなかった。理由は、受診する境界がわからなかったからだ。


偏頭痛の頻発と増悪。
頭痛は今でもよく起こるが、仕事を休むくらいの頭痛はあの時だけだ。
でも当時はそれがわからなかった。
だって、いつも痛かったから。


判断力の低下。
養護教諭の仕事の要となる判断力。
症状に応じて受診すべきか、早退させるべきか。誰に何を報告すべきか。それにとても時間を要した。
でも当時はそれがわからなかった。
だって、自分の知識技量不足だと思っていたから。


保健室で1人でいると、涙が溢れた。
何か特別つらいことがあったわけではない。でも何かに怯えていて、不安でいっぱいで、毎日怖かった。


1番ショックだったのは、仲の良かった同僚が敵に見えたこと。信頼していたスクールカウンセラーさんですら、言葉の裏側を考えるようになった。
頭ではそんなことないとわかっているのに、皆が私を貶めようとしているように感じた。


この苦悩を誰かに吐き出すことも出来なかった。
誰にも気づかれないように、心配をかけまいと無理をしていた。
それが何のためだったのかは、今はもうわからない。
誰のために、何のために頑張っていたんだろう。


当然、そんな私の状態を誰も知らないので「休みな」とも「受診しよう」とも言われなかった。



今のこと


私の目の前に、苦しんでいる友人がいる。
私を恐れず、信頼して弱い部分を見せてくれた。
だから「休んでいいよ」「一緒に病院に行こう」と声をかけることができた。

でも受診には心理的に抵抗があるようで、説明はしたものの、結局行かなかった。
そこで私は、過去に受診を経験しておけば良かったと思ったのだ。

実際の病院の雰囲気や、診療のあり方。
薬の効果。患者側の緊張や不安。
回復の経過。回復してからの生活。

経験していれば、もっと寄り添った言葉がかけられたかもしれない。
知識もあるし想像はできるけど、体験で学ぶものはとても大きい。だからあの時落ち込んで良かったし、もっといろいろ経験しておけばよかった。

そうしたら今、もっとあなたの力になれたかもしれない。



そして、今のあなたのつらさも、何か意味があることなのかもしれない。
もしかしたら将来、誰の力になるかもしれない。

……渦中はそんなふうに思う余裕なんてないけどね。
でも、今の私はそんなふうに思っているよ。

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