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「考える力」をつける方法①

以前、
「考える力」をつけるためには筋トレと同じで負荷をかける必要がある
ということを記事に書きました。

とはいえ、高校で授業をしていても、
「考えようにも、そもそも何をどう考えたらいいかわからない」
という生徒が多いです。

何か文章を読んだり、絵画や音楽、映画やアニメを鑑賞したところで、
その作品についてとか、テーマについてとか、
誰かに質問されることなく独りで何か考えることができる人は稀です。

それは、
入試に代表されるような、機械的な問答に慣れてしまい、本来の「考える力」がついていないのと、
そもそも思考方法という技術を持っていないことが原因です。

方法がわかっていないと、負荷をかけること自体が難しくなります。
筋トレをしようにも、腕立て伏せや腹筋の正しいやり方を知らなければできないのと同じです。

ここでは、僕が具体的にどういう方法で生徒の脳に負荷をかけ、「考える力」を養おうと試みているのか、紹介します。

方法① 比較

AとBを比べて、共通点(または差異)を見つけるというトレーニングです。

簡単なところでは、絵の間違い探し。
しかし、本格的にやるのであれば、やはり文章比較です。

長短を問わず、複数の文章を読み、
「共通点は何か」
もしくは、そもそも似た内容の文章であれば
「違いは何か」
を問います。

固いところでは、同じ事件を扱った複数の新聞を比較する。
すると、各記事の要約、特徴把握、言い換え思考が自然と身につきます。

でも、僕が最もおすすめしたいのは、
物語比較です。

たとえば、「桃太郎」と「浦島太郎」の共通点は何でしょうか。

これらは一見するとまるで違った物語ですが、実は物語の構造としてはかなり似通っています。
どこが共通しているか、わかりますか?

それは、「行きて帰りし物語」である点です。

桃太郎も浦島太郎も、それぞれ非日常の世界(鬼ヶ島/竜宮城)に行き、
そこの主人を攻略(鬼を退治/乙姫から歓待を受ける)し、
戦利品(財宝/玉手箱)を持ち帰る。

こうした点で、これらは非常によく似た構造をしています。

反対に、仲間の有無や結末の幸不幸は異なります。

このように、共通点や差異を探すことで、自然と主体的に考えるようになり、思考力は鍛えられていきます。


「深く考えたいが、どう考えたらいいかわからない」ときの一つの打開策として、
比較という方法をぜひ試してみてください。

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