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「すべてうまくいきますように」を観ました!

昨日、「kino cinéma横浜みなとみらい」で「すべてうまくいきますように」を観てきました。

脳卒中に倒れ体の自由がきかなくなった85歳の父・アンドレ(アンドレ・デュソリエ)がある日から、安楽死を願うようになります。それを知った娘のエマニュエル(ソフィー・マルソー)とその妹パスカル(ジェラルディーヌ・ペラス)の2人をはじめ家族の葛藤を描いたフランス映画です。
本作は「Facebook」の広告で知りました。私が以前から関心を持っている「安楽死」が題材なのと、好きな女優であるソフィー・マルソーが主演なので観ようと思っていました(実は彼女の出演作は全く観たことがありません(^^;))。

その題材から暗く、重い沈鬱な作品と思いきやそのような点は無く、また哲学的だったり説教臭いということもありません。
全編に渡ってテンポが良く、ナチュラルで親しみ易い作品です。だからと言ってギャグなどで茶化したりすることは全く無く、題材に真摯に向かい合った説得力のある映画と言えるでしょう。
また、いわゆる中だるみが無い、引き締まった作品でもあります。

秀作であり観て大正解でした。
良い映画に触れられると、幸せな気持ちになるものです。

戸惑いながらもエマニュエルは父の願いに正面から向き合い、合法的に安楽死が出来るスイスの組織に連絡を取ります。一方で父はリハビリが奏効し少しづつ回復していくのですが……
本作に登場する人物は、アンドレをはじめ殆どが裕福な人たちです。このようにお金がかかると言ってよい「安楽死」を選択出来るのは、当然その裕福さ故でしょう。
その是非は別として、「安楽死」にもお金がかかるのが現実で、これは贅沢な選択なのかもしれません。
ならば、お金が無い人たちはどうすればよいのでしょう?

貧困と格差という問題が、人間に必ず訪れる「死」というものさえ左右してしまうと気づき、私は慄然としました。

特に現在、貧富の差が開くばかりで、それが今後も続くと思われる我が日本に当てはめると不安でなりません。

※文中敬称略

レシートのような入場券。水曜サービスデーなので1.200円でした。
パンフレットは通常の作品より小さいB5サイズ。800円也。
帰途、劇場の近くで撮った横浜ランドマークタワーです。

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