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「『さらば宇宙戦艦ヤマト』4Kリマスター」を観た!

本日、「『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』4Kリマスター」を観てきました。

このアニメーション映画は昭和53(1978)年8月5日(土)が初公開です。
当事、小学校5年生だった私は、観たいからと劇場へ独りでぶらりと行くことができず、かと言って親は興味が無いため連れて行ってくれなかったので
公開時には観ていません。

ようやく観たのは何年か経った10代の頃、TVにおいてでした。
しかもこの作品を通して全て観たのはこの1回きりです。

というのも、「宇宙戦艦ヤマト」の大ファンを自認する私ですが、この「さらば…」は好きではないのです。
自分が大好きな作品で好きなキャラクター達が次々と死んでいく悲惨な、昨今で言うところの“鬱展開”な作品は、ファンとしての素朴な感情で好きにはなれないというのが理由です。

そのため本作も観るべきか迷いましたが、「4Kリマスター」というものを観てみたかったのと、1度は「さらば…」をじっくり観たいという願望がわき
劇場へ足を運びました。

昨年12月に公開された1作目の「4Kリマスター」同様、音声も画像もクリアーでした。
本作はTVアニメの再編集ではなく、当初から劇場用として制作されたため、リマスターにより顕在化した“粗”は無かったと思います。

……実は「4Kリマスター」に注意して客観的に観る余裕が無かったのが本音です。前述の通り劇場で、しかもじっくり観るのは初めてでしたので、まるで初見のごとく熱中していたからです。

いわゆる“芸細”な面を持つ堅実な演出に驚きました。これはアニメーションディレクターの勝間田具治の演出力が大きく作用しています。あと安彦良和による絵コンテの良さ、さらにはテクニカル・ディレクターの石黒昇の存在も忘れてはならないでしょう。

「ヤマト」に登場するメカニックの秀逸さは定評がありますが、半世紀近く経ってもデザインに遜色無いのはさすがとしか言いようがありません。ビジュアル面については、やはり松本零士の功績は大です。

宮川泰による音楽の素晴らしさを改めて認識しました。あのパイプオルガンでの白色彗星のテーマはアニメ史上に輝く傑作だと思います。

46年前の作品のため陳腐化した点があり、また、ツッコミどころが全く無いとは言えません。
ラストはやや強引に導かれた悲惨なものではあるものの、1本の映画として質の高いものであるのは間違いないと思います。

それにしても、本作のリメイクが眼識の無い人向けの駄作「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」とは、非常に悲しく、悔しく、腹立たしく、残念でなりません。

※文中敬称略

シアターの出入口に掲示された上映作品を知らせるチラシ。
来場者プレゼントのポストカード。
今日のチケット。

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