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小さな自転車、今日も駆ける🚲

Happy Holidays、皆さん。
年末年始のホリディシーズン、楽しくお過ごしでいらっしゃいますように。

華やいだ季節に、ワクワク。
ふつふつと、なんだか、何か書きたくなってきたりなんかして🌋

そんなところに、素敵な記事に出会いました。

おお、これだよ、コレ!!
verdeさん、ありがと。
私もモノとのお付き合いついて、綴ってみよう。

ヤードセールは、この国の文化のひとつ。
自宅にある日用品・家具家電物・不用品を解放して、
フロントヤードや車庫などで行う、自作のフリーマーケットだ。
置いてあるものは、各家庭さまざま。
大抵は、古い家具、置物、そして子供服やおもちゃが多い。
引越する家庭であれば、大型家具や家電まである。

今から、10年以上前のこと。
近所に、ヤードセールが行われているのを見つけた。
家財道具とたくさんの男の子向けのおもちゃ、スポーツ用品。
フロントヤードに所狭しと置かれている。

その中に、とても小さな自転車を見かけた。
私は、すすんで中古品を求めない方だ。
でもなぜか、その自転車がとても気になった。

そのヤードセールの場に、その家の人はいなかった。
このような場合、普通であれば、スルーしてしまうところだろう。
でも私は、わざわざ呼び鈴鳴らして、
出てきたオーナーに、その自転車のことをたずねた。
「この自転車、おいくらですか?」

オーナーは、優しそうな人だった。
幼い家族を連れた私を見て、一言。
「その自転車、Freeにするわ。おまけもつけとくわね。」
と、家の奥から自転車タイヤ用の空気入れを出してきてくれた。

「うちの子達が、初めて自転車に乗る練習をしたものなの。
 よく乗っていたんだけど、タイヤの空気が抜ける時があってね。
 これも必要になるわよ、持っていってちょうだい。」

我が家に、初めての自転車がやってきた。
長子が、自転車に乗る練習を始めたいと言い出した。
私は、彼女の選んだ新しい自転車を買おうと考えていたが、
長子はたって、譲ってもらった自転車に乗りたいと希望した。

ほどなく、長子は自転車に乗れるようになった。
その後を、三輪車でついていく次子。
ある日、長子は私に「自転車を買ってほしい」とねだった。
そうしたら、次子と一緒にbikingができるから、と。

もう一台、自転車がやってきた。
そしたらすぐ、長子が先導する形で次子が自転車に乗れるようになった。

以降、このようにして、幼い家族達は自転車に乗れるようになった。
近所の林に、みんなで連れ立って自転車で出かけて行くようになった。

ガレージには、大きな自転車が並び。
子供用自転車に乗っていた家族は、自動車に乗れるような年齢となった。
それでも、あの譲ってもらった自転車は、ガレージの片隅にあった。
小さくて乗れないけれど置いておきたいと、家族が希望したからだ。

最近、自宅内に置くものを見直したくなった。
そこで家族に、”卒業”してもいいものがあったら、手放そうと声をかけた。
すると、件の自転車を手放してもいいと言われ、驚いた。

私は生まれながらのミニマリストなので、自宅はモノが少ない。
「不用品」も、置いておくことがない。
それでも、”不用品”を探すことにした。
一台ぽつんと、あの自転車を旅立たせたくなかったからだ。

あっさり、他にもフロントヤードに置けるものが集まった。
おもちゃ、幼児用踏み台、絵本、袋に入ったコンセントカバー。
それら一つ一つを手に取り、”FREE"のサインをつけていく。
思いの外、手伝う家族は淡々としている。
幼き時に愛したものに向き合い、
送り出すべきタイミングは今だと、納得しているからだろう。

家族全員で家を空ける日の朝、玄関先にサインをつけたものを並べた。
家の前に並ぶ物へ、横目で「さよなら」して、車にエンジンをかける。
家族の思い出がある物ばかり。
しかし、朝陽に照らされたそれらは真新しいもののように、
すでによそよそしい。不思議なことに。

夕方帰宅すると、自宅のフロントヤードには何も残っていなかった。
みんな、然るべきところへ、旅立っていった。

敢えて思い入れをもたないようにしたが、
不意に手放した物へ、想いをかけたくなった。
手に持つ人に役立ちますように。
然るべき間、愛されますように。

その後。近所で偶然、小さな自転車の行方を知った。

車が来ない、家屋で囲まれた”court"と呼ばれる場所で、
両親らしき家族に励まされながら、
自転車に乗る練習をしている幼い子供を見かけ、驚いた。
その子がまたがっている自転車は、自宅にあった自転車だったからだ。

自転車の新しいオーナーである子供は、まだとても小さい。
あの小さな自転車が、大きく見えるほど。
一生懸命練習している様子が、微笑ましい。
一緒につけておいた、自転車タイヤ用の空気入れが役にたつといいな、
そう思った。

人はモノを持つと、幸せになる。
そして、モノを手放しても、幸せになる。
どちらも同じ。幸せ。
人は愛すると、幸せになる。
そして、愛されると幸せになる。
どちらも同じ。幸せ。
全てのものは、巡り巡ってこそ、良いバランスとなるのかもしれない。

小さな子供の挑戦する力を受け止め、世界を広げるために。
今日もどこかで、あの自転車は駆けている。

ありがとうございます! あなた様からのお気持ちに、とても嬉しいです。 いただきました厚意は、教育機関、医療機関、動物シェルターなどの 運営資金へ寄付することで、活かしたいと思います。