読書レビュー:社会学「男性中心企業の終焉」
ジェンダーギャップ指数のランキングが、年々下がっていく日本。働く女性が面する差別を、最新の情報で解析していくイチオシの本です。
コロナによって拡大した家事育児時間格差
日本では、性別役割分業が長年課題視されていました。
1990年代に共働き家庭の方が多くなっても、女性は家事育児仕事をしていた現状があり、その背景として男性の長時間労働が挙げられています。
一方、私の学生時代の友人は、ほとんどが結婚後もフルタイムで仕事を継続しています。残業が多い業界・職種の友人もいる中、妻側の家事負担は10割近くが最も多く、夫が2割負担していたら珍しい方でした。男性と同じぐらい(またはそれ以上)働いているのに、長時間労働は夫の免罪符ではないのか、と思ったことがあります。
日本の男性は、家事育児が諸外国と比較して低い現状があります。
1日6時間も多く家事育児を担っていたら、フルタイムで仕事するのは難しいのは想像に難くありません。
この格差が、コロナ禍でより広がったと言われています。
女性は管理職への興味が薄いと言われますが、家庭内での負担が高いと就労のスタート地点に立つことが難しいでしょう。
ここで着目されているのが、男性の意識改革です。
男性がケア労働を行う未来
家事育児は、無償労働と言われるケア労働で、女性に”適している”とされてきました。
しかし、欧米を始めとする海外では、男性によるケア労働が今までより重要視されてきました。
海外ではケアと男らしさを結びつける概念も生み出されており、理想の男性像のアップデートが必要であり、そのためには企業も努力が必要です。
女性に優しい社会は、誰にとっても優しい社会になるでしょう。人権教育が磨かれているスウェーデンに関する下の著作は、誰もがケア労働に従事する優しい社会のヒントを得られます。
男性(息子)による介護に関しての本著も興味深いです。
所感
過去働く女性の差別問題の中でおすすめした本は、シェリル・サンドバーグ氏による「Lean In(リーンイン)」でした。今読んでも納得の良書です。
上記をより今風に、日本風にしたのが本著で、本当に学びが多く様々な論点がまとめられた本でした。ぜひ一度ご覧ください。
女性活躍のためにしていることが、アンコンシャス・バイアスによる差別だったということもあります。興味を持っている方はこちらもどうぞご覧ください。
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