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石仏の話(36)自他法界平等利益

石の柱に「自他法界平等利益」と書いたものがある。
仏様の造形はなされていない。
言うならば文字塔になる。
意味としては、「自分も他人も世界も平等に幸せになりますように」ぐらいだと思う。
まさに仏教の真髄のような言葉になるけれど、実はそれが最大の難事である。

他宗教の中には、自らの信仰に異とするもの(人間)は、「神の意に反する」のだから、神の民ではない(つまり悪に属する)ので、滅ぼさなければならないとするものもある。
神の意と信じ、他宗教の民を殺戮する。(根絶やしにするのが神のご意思である)(それを為さないのは、信徒の怠慢でしかない)
他宗教の民も、生き残りたいから、それに対抗する。(生物として生存本能から逃れられないのが現実)(我が子のため、愛する人のためもある)
そして、それによって悲惨な戦いが繰り広げられてきたことも歴史の事実である。

結局は殺し合いに終始する世界が続いてきたのではないか。

しかし、人々の心の内奥は、本当にそれを望んでいるのだろうか。

思いや考えは尽きないけれど

なかなか、いろんなことを考えさせられる石塔である。

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