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日本で売られている靴は横幅が広すぎる

こんにちは。

牧 菜々子です。

靴を試してみても、かかとがカパカパ脱げる。

時間が経つと、靴ずれしてしまう。

それは、靴の横幅が広すぎるせいです。

日本で売られている靴は、一般的に、横幅が広い。

どうしてかというと、広めの靴を売場に置いておけば、とりあえず「足が入らない」というお客さんを取り逃がさずにすむし、あとは中敷きで調整すれば、その場では丸く収まって、靴が売れるからです。

これで、業界が回っています。

かつては、日本人は足が広めだったので、靴業界はそのやり方で通すことができました。

でも今は、足の幅が狭い人が増えてきていて、ちょうど平均の幅の人たちよりも、平均より細い人たちのほうが多いのです。

横幅(ワイズ)は、細いほうからA、B、C、D、E、EE、EEEとなりますが、平均であるEの人たちは、全体の23%。

一方、A~Dの人たちは、合わせると30%に達します。

日本の靴売り場に置いてあるのは、E~EEEがほとんど。

フェラガモも、本国イタリアではワイズAが主流なのに、日本の店舗にはCかDしか入れていません。

「細すぎて入らない」という人を取り逃さないように、大きめの品揃えにしているのです。

そうなると、売場で試した時は良さそうに思えても、買って帰ると、すぐに合わなくなる。

縦のサイズは合っていても、横のワイズが大きすぎるのですから、当然です。

中敷きを増やしたり、調整パッドを靴に貼ったりしても、「どこまでも歩いて行けそう!」という感覚とは程遠く、「もう歩きたくない」とまで思ってしまう。

イライラするのは、靴が合わない理由がわからないから。

「横幅が大きすぎる靴しか日本の靴売り場には売っていないから」という事情を、まだまだ多くの人が知らないからです。

スペインとブラジルの靴はやや細めで、ZARAとマノロブラニクには活路を見出せる人もいるはずです。

タカシマヤのオリジナルブランド「ドロシーテイル」では、ワイズCの4センチ細ヒールパンプスの取り扱いが始まります。

百貨店側も、GOサインを出すにはC表記が限界だったでしょうし、業者さん側は、かかとを絞り上げてBの人もカバーできるようにしたという熱の入れようです。

ヒールがなくても、フラットシューズでも脱げてしまったり、靴ずれする人は、今この瞬間にもたくさんいます。

ハイヒールじゃないのに靴ずれするなんて、納得いかない。

そんな人を多く生み出してしまっているのが、今の靴業界なのです。






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