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ジャズ狂時代(小野佐世男)

小野佐世男「ジャズ狂時代」を朗読しております。

小野佐世男(1905~54)は、画家で漫画家で随筆家で小説家です。
話の達人でもあり、ラジオ番組や講演や雑誌の座談会など、多くの場で人々を魅了してきました。

48歳という若さで亡くなられています。
ご子息の小野耕世氏の随筆を読んで知った、その日のこと。

1954年2月1日、マリリン・モンローがジョー・ディマジオといっしょに来日しました。新婚の夫妻にインタビューして絵を描くという仕事で、小野佐世男は雑誌の編集者とともに、夫妻の宿泊予定先の帝国ホテルに向かいます。けれど夫妻は搭乗した飛行機が遅れた上、空港では多くのファンに囲まれ、ホテルになかなか着くことができませんでした。
インタビューまでに時間がだいぶ空いてしまった小野は編集者を誘います。「日劇ミュージックホールに寄っていこう!」
ホールのダンサーたちの絵は何度も描いていましたし、人気芸人のトニー谷とも知り合いでした。

5階のミュージックホールにいくためにエレベーターを待ちましたが、故障しているのか、なかなか来ません。小野は編集者とともに、かなり急な階段をのぼっていきました。しかしその途中、胸が苦しくなり…!(心臓発作。午後3時頃のこと)

トニー谷いうところの、「僕の大好きな小野ちゃん先生」は、病院に運ばれ3時間後…天に召されてしまったのでした。

小野氏に私が興味を抱いたのは、大好きな宇野千代先生が創刊したファッション雑誌『スタイル』に、常連で絵や文章を寄稿していた方だと知ったからです。
リズミカルな文はとてもユーモラスで、読んでいて楽しくなります。

「ジャズ狂時代」は、小野氏が近所のお嬢ちゃんといっしょに浅草国際劇場にいったときの場景が、「お嬢さんはジャズがお好き」「超満員のホット・ジャズ」「法悦の夢想境」の3部構成で描かれています。

トニー谷の舞台から客席への呼びかけ「レディーアンド・ジェントルマン、お父ちゃん、お母ちゃん…」のところと、ジョージ川口のドラムの描写の「ハイバイツ」という箇所は、ちょっと、あれ?と思ったのですが、原文のまま、朗読しました。

トニー谷さんは確か「レイディースアンドジェントルメン、おとっつぁん、おっかさん」と言ってらしたのでは…初期は違ってたのかなあ…細かいことが気になってしまうのが悪い癖(笑・来週から『相棒』じゃ~(*‘∀‘))

「ハイバイツ」って、もしかして「ハイハット」のことかなあ…。

ご存じの方がいらっしゃいましたら教えてくださいませ♪

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